「損得勘定する人の目標は小さい」脳科学者が明かした潜在能力の発揮に必要なのは「桁違いの目標」を立てること
人生において、桁外れの目標を持ちそれに全力投球したことはあるだろうか。 救命救急センターの医者として活躍し、人の可能性の幅を広げてきた脳神経外科医・スポーツ脳科学者の林成之さん。 【画像】脳科学の視点から分析した著書『運を強くする潜在能力の鍛え方』 常に気の抜けない緊張を強いられるなかで全力投球をすることで、自身や周囲が信じられない力を発揮する場面を目にしてきたという。 そして、それは潜在能力の発現によるものだといい、その力をどう鍛え発揮できるかを著書『運を強くする潜在能力の鍛え方』(致知出版社)にまとめた。
潜在能力とは?
潜在能力は「表に出てこない内に秘めた才能」というイメージを持つ人が多いが、ある意味で運を味方につけ、奇跡のような力を発揮することに近い。それは簡単なものではなく、全員が発揮できるものでもない。 林さん自身は3人の恩師との出会いによって潜在能力が鍛えられたことから、人との出会いと豊富な体験、そして桁違いの目標を立てることで育まれていくとする。 1990年代、偶然にひらめいた医師・看護師がモニターを見れば患者の状態がわかるような世界初の管理システムは、救命救急センター全体のレベルを上げ、医師や看護師も海外から注目されるようになるなど進化を遂げた。 そこで働いていた看護師の一人は、アメリカの大学病院に「働きたい」と直談判したというエピソードもある。桁違いの目標を立てて直談判するという行動力も潜在能力が開花した一例だと林さんは考えている。 そこで著書から桁違いの目標を立てることの意味を、一部抜粋・再編集して紹介する。
桁違いの目標に全力投球する
これは私の周囲に起きた変化のごく一部です。何気ないひと言が医師・看護師たちの意識を変え、かつてない機器の発明を促し、医学界に衝撃を与える数々の研究成果を生んだのです。 その当時は明確に言語化できていませんでしたが、普通の人が考えない、けれど人のためになる桁違いの目標を掲げ、全力投球することによって、潜在能力を発揮させることができることを私は知りました。 すべては桁違いに大きな目標を立てたことから始まっているのです。それが私だけでなく、周囲の人たちにも大きな運を呼んだと言っていいと思います。 だから、最初に述べたように、人というのは誰と会うかが問題なのです。 そして、誰と会うかは運命です。運命だから本来はコントロールできないわけですが、人を引き寄せるのも自分の力、潜在能力によるものだと私は思っています。 自分がだめなときは、決していい人に出会えません。