首位を走っていた片山晋呉がバックナインのOB2発でV逸 いったい何が起こった?
<コマツオープン 最終日◇7日◇小松カントリークラブ(石川県)◇6958ヤード・パー72> 片山晋呉が小指を外したアプローチを披露 いったいどんな球が出る?【連続写真】 国内シニアツアー「コマツオープン」の最終日最終組はトータル10アンダーで並ぶ片山晋呉、平塚哲二、プラヤド・マークセン(タイ)、1打差のトータル9アンダーで兼本貴司という4人の組み合わせ。12番ホールまでは片山がリードしていたが、突如ティショットが乱れ、平塚哲二に優勝を譲った。精密機械のように隙のないゴルフを展開していた片山に何が起こったのか。 スタートホールの1番パー5では片山と平塚が3打目のアプローチを寄せてともにバーディ。そして片山が3番でバーディを奪えば、平塚が5番で獲り返す。マークセンは2番でボギーが先に来たが、その後は飛んで曲がらないドライバーを生かしてバーディを重ね、2人の背後にピッタリついていた。 それでも内容を見れば、片山は完全にゲームを支配していた。OB杭が近く、曲げれば即ペナルティとなる小松カントリークラブで、当たり前のようにフェアウェイをとらえ続けた。セカンドショットではピンを狙わず、グリーンの広い方に乗せるマネジメントを徹底。平塚とマークセンにとっては嫌なゴルフだったに違いない。 圧巻だったのは、8番をバーディとして迎えた前半最後の9番パー4だ。ドライバーでフェアウェイのど真ん中に置くと、「距離がちょうど良かったから」とピンを狙い、1メートル手前につけるスーパーショット。連続バーディとしてトータル14アンダーまで伸ばし、2位の平塚とマークセンに3打のリードをつけて折り返した。 しかし、ゴルフは最後まで何があるか分からない。最終日だけティが前に出されて1オン可能な13番パー4。突如として精密機械に狂いが生じる。 ドライバーでのティショットは大きく左に曲がり、レッドペナルティエリアに打ち込んでしまった。ドロップゾーンからの残り100ヤードの3打目もグリーンに乗らず、4オン2パットでまさかのダブルボギー。最終日の13番は2つのイーグルが出るなど平均ストローク「3.563」の最もやさしいホールで、ダブルボギー以上を打ったのは片山ただひとり。「去年から打ちようがない」と苦手意識を持っていた。 この13番をバーディとした平塚がトータル14アンダーで単独首位に浮上し、片山は1打を追う立場に変わった。16番パー3では片山が伝家の宝刀、ユーティリティでピン3メートルにつけてバーディを奪い、トータル14アンダーで平塚と並んで最終18番パー5を迎えた。そこで最初に打った片山のティショットは再び左へ。今度はOBゾーンに消え、今季2勝目が手からこぼれ落ちた。 ホールアウト後に13番と18番で何が起こったのか本人に聞くと「突然左に行きだしたね。今週は一度も行ってなかったんだけどなー。後半は3発か4発、左に行った」と、自分でも原因をつかめていない様子だった。 次週は「日本シニアオープン」。片山はこれまでに「日本オープン」、「日本プロ」、「日本ゴルフツアー選手権」、「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の日本タイトル4冠を達成しており、ここに日本シニアオープンと「日本プロシニア」のタイトルを加えることを目標としている。 日本タイトルがかかる試合での目標を聞くと、「このままで大丈夫でしょ」と自信をのぞかせながらも、「またドライバーが要るかもしれない。あとウェッジのシャフトが合ってなくて何かダメ」とクラブの調整を行うことを示唆した。持ち前の修正能力を発揮して、今度こそ優勝カップを掲げたい。