「京都大学に進学したい」「大学生活を一からやり直したい」高校3年生、大学4年生、社会人2年目…人生で三度の受験失敗を経験した女性が“志望大学合格”にこだわり続けたワケ
京都大学をなぜ再受験したのか?
――大学4年生で再び京都大学を受験したのは、なぜでしょうか。 冨塚 やはり「京都大学に進学したい」という気持ちがずっと残っていたからだと思います。個性豊かな学生達と切磋琢磨できる環境に憧れていたんですよね。ちょうど、私が大学3年生になったころ、コロナ禍に突入して、授業も完全リモート、サークル活動やアルバイトも自粛という状態が生活の基本になると、立ち止まって考える時間が増えたんです。すると、やはり京都大学に進みたいという気持ちが自分の中で強いと改めて気づかされて。
――当時はどのようなことを考えていましたか。 冨塚 大学1、2年生のとき、私は一種の強迫観念から「予定のない時間が怖い」といった様子で、あまりに多くの予定を入れすぎていました。そのうち、心身の負担が重なってか、文学部生なのに本を読むことすらままならなくなってしまったんです。学業もおろそかにしてしまった後悔や、小さい頃から本が大好きで文学部に入っただけに、「本が読めない文学部生って何なんだろう」という自責が強く、「大学生活を一からやり直したい。もう一度受験をして、京都大学文学部を目指そう」と思ったんです。
時間をおいてからの再受験
――大学入学後、改めて京都大学を再受験することは、友人や家族には打ち明けていたのでしょうか。 冨塚 近しい友人には言っていました。温かい反応が多かったですね。「やるからには頑張って」という声をもらったと思います。両親は「今の大学を卒業してからなら良い」という意見でした。それもあって進学先を卒業するタイミングに合わせて京都大学へ行きたいと考え、4年生時に受験しました。 ――仮面浪人をする仲間は、キャンパスライフではなかなか見つけにくいものですか。 冨塚 そうですね。もしかすると、大学1年生のときにすぐ再受験をする人はいたのかもしれませんが、私の場合は時間をおいてからの再受験でしたから、余計に同じ境遇の人が見つかりにくかったと思います。 ――その後、社会人になってからも再々度受験。結果、志望校合格には至りませんでしたが、再受験時代をどのように振り返りますか? 冨塚 私は結果として再受験を成功させることはできませんでしたが、現在、自分の関心が高かった分野で仕事をさせていただいています。希望する大学への進学が叶わなくても日々は続いてゆきます。受験や大学はあくまで過去の一時点であって、その人が今何を目指し、何を考え、どのように日々を過ごしているかの方が重要だと個人的には思います。 「失敗してしまったらどうしよう」「精神的な不安感が消えることはない」外資系企業を目指す男性が、デメリットを理解しながら“仮面浪人生活”を続ける“ある理由” へ続く
黒島 暁生
【関連記事】
- 【つづきを読む】「失敗してしまったらどうしよう」「精神的な不安感が消えることはない」外資系企業を目指す男性が、デメリットを理解しながら“仮面浪人生活”を続ける“ある理由”
- 【もっと読む】東大不合格→横浜国立大学進学→筑波大学不合格→三重大学転学→名古屋大学不合格…華麗なる“仮面浪人”人生を送ってきた男性の“意外な現在地”
- 【はじめから読む】早稲田大学は「本当は違う第一志望があって、満足していない人が集まる場所」…? “仮面浪人サークル”創設者として受験生を応援し続ける男性が明かした“学歴”についての“意外な考え”
- 「単に偏差値が高い人間が集まる場所ではなくて…」不登校で高校を中退した男性が東大入学後に感じた“意外な魅力”とは
- 〈悠仁さま合格〉「え、東大じゃないの?」受験報道に関係者も驚き…悠仁さま(18)突然の“筑波大シフト”の理由は? 学長は直撃に「今まで東大だったじゃないですか」