反体制派、中部要衝へ砲撃 政権軍と激戦か シリア
【イスタンブール時事】在英のシリア人権監視団は3日、アサド政権の支配地域へ進攻している反体制派勢力が中部の要衝ハマなどに砲撃を加え、ハマ郊外の複数の町を制圧したと明らかにした。 シリア国営通信も3日、政権軍がハマ北方で防御戦を強化し、「テロ組織への反撃を準備している」と報道。反体制派は北部の要衝アレッポに続き、ハマに対しても攻勢を強め政権軍との攻防が激化している。 人権監視団によれば、反体制派と政権軍はハマ周辺の北方地域で交戦し、市民を含む多数の死傷者が出た。先月27日に反体制派が大規模攻撃を仕掛けて以降、「最も激しい衝突」になったという。政権軍による空爆は数時間で45回以上に及び、容器に爆薬や金属片などを詰めて殺傷力を高めた「たる爆弾」も投下されたとしている。一連の戦闘に伴う死者は570人を超えた。 ロイター通信は2日、イランの支援を受けるイラク人戦闘員約300人が、アサド政権側で参戦するためシリアに入ったと報じた。反体制派が掌握地域を広げる中、再燃した内戦が泥沼化する恐れもある。 一方、クルド系メディアによると、米軍などが支援するクルド人主体の「シリア民主軍」(SDF)は3日、東部デリゾール県でアサド政権が支配していた複数の村を制圧したと主張した。これらの村については、展開していたロシア軍が最近、撤収したと伝えられている。SDFは、交戦してきた過激派組織「イスラム国」(IS)が「(アレッポなどでの)出来事につけ込むリスクがある」と警戒。反体制派の進攻に呼応したとみられる。