柄本佑「藤原道長役、最終章入口の撮影に立った今、“三郎としての人間性”が、より大事だと感じている」
◆全部の台本を読み切ったら見えてくるもの 物語が進むにつれて、まひろと道長の関係が変わってくるんですが、今までのように離れている時間がふたりの思いをどう埋めるのか、ということとはまた違うようになっていく。まひろが内裏に入り、道長との距離も近くなっていきます。 その信頼関係から、これまで築いてきたものが今までとは違う、落ち着いた形になっている。ふたりの絆が強硬になっている印象があります。 道長は、まわりからは父の兼家と同じように見られることもありますが、「父と同じことはしたくないんだ」と言う場面がいくつか出てくるんですよね。同じことをしていても気持ちが違う、出発点が違う。民のためによき政をするために、結果的に同じことをしているがしたくない、その整合性をどう保つか、自分なりに考えています。 道長の旅路は、まだ途上。今、物語の終盤を撮影していて、道長はまだバタバタしているので、全然落ち着きません(笑)。正直なところ、全部終わってみないと、道長がどんな気持ちに辿り着くのかわからない。全部の台本をいただいて、読み切って、落ち着いてきた時に、僕自身も道長について見えてくるものがあるのかなと。今から、その日を楽しみにしています。
柄本佑