日本最大級のピッチコンテスト「IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO」開催! 優勝賞金1,000万円を獲得したスタートアップは?<後編>
<Penetrator>人工衛星を使って価値ある不動産を探す
2022年に創業したPenetratorは、不動産ビジネスにおける土地の仕入れを効率化するサービス「WHERE」を提供している。通常、土地の仕入れは土地を持っている人、持っていそうな人にアポイントを取って土地の情報を取得し、現地に足を運んで仕入れていくが、それでは効率が悪い。 そこで、人工衛星データとAI分析を活用して、データ上で候補地を選定、その後に持ち主を探してアプローチができるツールとしてWHEREを開発。ツール上で最新の土地の所有者や評価指標も取得できる。 ビジネスモデルは月額50万円のサブスクリプション(超過分は従量課金)で、リリース9カ月で単月の売り上げが1億円を突破。三菱地所や東京建物など大手企業への導入実績もあるという。海外の不動産も検索が可能で、フロリダ版をリリース済とのこと。
<Valtec>アパレルデザインのプラットフォーム
台湾発Valtecは、アパレルデザインのためのCADプラットフォーム「DMKTZ Studio」を提供している。同社いわく、アパレル業界には多くの課題があり、洋服の制作には約8カ月の期間がかかる。その間に修正などによる廃棄も多く発生しているという。 そこで、3Dスキャン、コンピューターグラフィックス、AIを搭載したAIデザインプラットフォームを開発。デザイナーは実物のモデルの3Dスキャンを作成して寸法を抽出、同じく3Dスキャンの生地データを活用し、プラットフォーム上でデザインを完成させられる。 DMKTZ Studioの活用により、制作期間を約4カ月、コストを約50%に削減、さらにCO2の削減にもつながっているという。ビジネスモデルは、SaaSのサブスクリプションと3Dスキャナーのデジタル設備の販売となる。これまでに250以上の企業との取引実績がある。
<Elevate foods>3Dプリントでデジタルフードを製作
香港発のElevate foodsは、特許取得済の3Dプリント調理技術を使ってデジタルフードを製作している。主なターゲットは柔らかい食事を必要とする高齢者で、同社の技術によって、食べ物の形状・食感・栄養バランスをパーソナライズできる。 柔らかい食感を維持しながら形状を形作り、さらに原材料となる食インクに動物性タンパク質や食物繊維といった栄養素を加えるなどして、栄養を強化することも可能だ。同社の調理器には独自の加熱技術も搭載しており、競合にはない強みになっているとのこと。 Elevate foodsの調査では、3Dプリンター食品の世界市場規模は2023年時点で10億ドルにのぼり、高齢者向けの食品の世界市場規模は24億ドルに倍増。同社が開発したデバイスやプラットフォーム、食品インクパック等を販売するビジネスモデルだ。現在、日本市場進出に向けて食品サプライヤーや装置メーカーとの協議が進んでいるという。