和合の激闘から13年 笠りつ子が秘める思い「あと何回、来られるか」
◇国内女子メジャー◇日本女子オープンゴルフ選手権 3日目(28日)◇大利根CC 西コース(茨城)◇6845yd(パー72)◇曇り(観衆5068人) 【画像】13年前も父と一緒に戦った 笠りつ子 13年前は最終日の最終組だった。首位と2打差2位の好位置で決勝ラウンドに進んで最終組を回った笠りつ子は、当時の気持ちを必死に思い返していたという。「それが、全然思い出せなくて」と笑う。 愛知県の名古屋GC和合コースで行われた2011年大会は壮絶だった。馬場ゆかりの優勝スコアは通算12オーバー。タイトなコースに深いラフ。笠はフェアウェイキープ最優先で1Wを握らない作戦を貫き、最終日も一時は単独首位に立ったが、最終18番のボギーで1打及ばず涙した。 「今週は常にドライバーです」。当時はツアー初優勝を遂げて間もなかった23歳。今週は大会史上最長の総距離6845yd(パー72)でもある。戦い方は大きく異なるが、我慢が求められるのは同じだ。
2年連続年間女王の山下美夢有と2サムで回ったこの日、2番のバーディ先行から辛抱強くパーを並べた。「耐えて耐えてっていうところもあって、いいゴルフができていた」。13番(パー5)は3打目で50ydほどのウェッジショットをピン下につける理想的なバーディ。必死に食らいついた。 ナショナルオープンへの思いを問われ、「年齢も年齢なので、あと何回来られるか分からない。しっかりコースと向き合いたい」とかみしめるように話す。今回も最終予選からフィールド入り。北海道で行われた「ニトリレディス」を最終日まで戦った翌日から千葉県で2日間36ホールのハードスケジュールだった。「タフですけど、いまのところは大丈夫。元気です。出られる限りは出たい」と気力で切符をつかんだ。 タフな上がり3ホール、16番(パー3)から2連続ボギーはあったものの、最終18番を粘ってパープレー「72」にまとめ、優勝争いに踏みとどまった。「パターが入ってくれれば。誰か、代わりに打ってほしい!」と冗談めかした後に「でも、大丈夫です。(首位の2人は)うまい選手だし、下からアンダーで出てくる選手もいると思う。自分のゴルフをしていきたい」。最終日最終組のひとつ前から、13年前と同じ2打差を追いかける。(茨城県坂東市/亀山泰宏)