言い訳の2つのタイプ モチベーションが高いのはどちら?
ビジネスを成功に導くためには、自分や相手の心理を把握しておくことが最善の近道。ここでは、失敗の原因をすぐ自分以外のものに求め、いっこうに成長しない従業員を例にとります。言い訳とモチベーションの間には密接な関係があるのです。日経ビジネス人文庫『ビジネス心理学大全』(榎本博明著)から抜粋して解説。 【関連画像】 Question モチベーションがやたら低い従業員がいて困っています。ミスをしても自分の落ち度を認めず、ノルマを達成できなくても自分の努力不足とは思わず、すぐに言い訳をします。モチベーションの高い従業員はあまり言い訳をしないように思います。言い訳するかどうかで、モチベーションの高い人物と低い人物を見分けることはできるのでしょうか。 ●自分は絶対に悪くない? 結論から言えば、言い訳とモチベーションの間には密接な関係があります。ただし、言い訳をする人物はモチベーションが低く、言い訳をしない人物はモチベーションが高い、というような単純なものではありません。言い訳の中身が問題です。 ある経営者は、モチベーションが低くて困る従業員について、次のように言います。 「何かにつけて言い訳が多いんですよ。先日も、顧客対応がまずくて相手を怒らせてしまったのですが、いくら対応のまずさを指摘しても、先方の言い分がおかしかったからというような言い訳ばかり。自分の落ち度に気づいて、そこを今後修正してくれればいいんですけど。なかなか反省してくれなくて困ります」 別の経営者も、モチベーションの低い従業員について、次のように嘆きます。 「他の従業員は、営業成績が悪いと、自分の営業の仕方をさらに工夫しようと頑張るんですけど、その人物は、担当している地域が悪いとか、今回は運が悪いことが重なってうまくいかなかったとか、言い訳ばかりで自分のやり方を振り返ろうとしないんですよ。あれじゃ成長しないし、ほんとにお荷物社員です」 このような人物の特徴は、ミスをしたり、ノルマを達成できなかったりしたとき、その原因を自分以外の要因のせいにすることです。そこで問題になるのが、原因帰属のスタイルです。