【魔改造?】メルセデスAMG SLをシューティングブレークに フルカーボンボディの1,000馬力2ドアクーペ ブラバス ロケットGTSとは?
ボディ全体がビジブルカーボンであり、よく見ると、ルーフ後部など一部のパーツのみがほとんど目立たない黒色の塗装に切り替わっていることに気づく。ボディ全体はCAD/CFDの手法で開発され、風洞実験でテストされた。その際、「ロケットGTS」のスタンスも広げられた。シューティングブレークのリヤアクスルは1.99mとなり、フロントフェンダーも拡幅された。これにより、エアロブレード付きの21インチ/22インチのブラバス製モノブロックPプラチナホイールを装着するスペースが生まれた。ケブラー製ホイールアーチライニングは素晴らしいディテールだ。4本のチタン製テールパイプをカーボンで覆い、照明を施したエキゾーストシステムは、やや、やり過ぎの感があるが、これは意見の分かれるところだろう。
ラゲッジスペース
シューティングブレークにふさわしく、「ロケットGTS」にも実用的なトランクが備わっている。ブラバス社は正確な容量を公表していないが、電動開閉式フラップの後ろには、もちろん、スレートグレーのレザーに貝殻形のひし形デザインを施したブラバス社の最高傑作のインテリアに完璧にマッチする、特注の大型バッグ4個を収納するスペースが在る。
ダッシュボード、ドアパネル、天井にはアルカンターラが追加されている。ブラバスらしく、仕上がりや外観は非常に高品質だ。細かい部分では、「ロケットGTS」のロゴ入りの黒いシートベルトが目を引く。マイナスポイントは、ナビゲーション画面に「SL」のロードスターのシルエットが残っていることだ。確かに膨大なプログラミングが必要になるとしても、「ロケットGTS」のシルエットが、この素晴らしいインテリアの印象を完璧なものにするだろう。念のため言っておくが、2+2シートは嘘ではない。ただし、身長1.83メートルの私には(あまりにも)窮屈だ。そもそも足元のスペースが不足している。
1000馬力、1620Nm
パワーに不足はない。ベース車両でも、816馬力、1420Nmのパワーを誇り、メルセデスがこれまでに製造した量産モデルの中でも最もパワフルな部類に入る。しかし、ブラバスはさらなる改良を施さなければブラバスではない。長いカーボン製ボンネットの下を見ると、まず目に飛び込んでくるのは赤いカーボン製エンジンカバーだ。その下にあるV8ツインターボエンジンは、ボトロップで徹底的に改良され、4.5リッター(厳密に言えば、4,407ccなので4.4リッター)に拡大され、新しいターボチャージャーが装備されている。その結果、796馬力と12,50Nm(トルクは電子制御により1,050Nmに制限)を達成した。さらに、204馬力を追加する電動モーターが搭載されている。合計すると、「ロケットGTS」は1,000馬力と1820Nm(電子制御により1,620Nmに制限)を達成している。