「はちきれんばかりのパワーで…」 知的障がいに向き合い筆で表現する男性の“書道”は
RAB青森放送
ことしの障がい者芸術世界展の入選者を紹介する特集、2回目は知的障がいに向き合う三沢市の男性です。 のびのびとした感性を筆で表現した作品は高く評価されています。 七戸町立鷹山宇一記念美術館で開かれている「Art to You!障がい者芸術世界展」。 社会生活で何らかのハンディキャップがある人たちが制作した絵画や工芸など、入選した132点が展示されています。 この中から審査員を務めた現代芸術家が魅力を見いだしたのは、一枚の書「空」です。
★審査員 十和田市現代美術館 元館長 藤浩志さん 「このイメージそのものがすごくおもしろいですし、この筆の使い方であるとかこの何でしょうか…ここに現れているイメージと勢いみたいなものを、ひじょうに感じまして」 作者は八戸市にあるボランティア書道教室「俊文書道会」の会員で、三沢市の会社員 松江宣和さん35歳です。
知的障がいのある松江さんは、学校の先生のすすめで15歳から書道を始めました。 仕事に就いてからも通い続け、書道歴は20年間になりました。 ★俊文書道会 会員 松江宣和さん 「元気に書きました」 「いい気持ちでした 書きました」 松江さんの作品は線に勢いがあります。 その訳は書き方にありました。 ★俊文書道会 西里俊文 代表 「ジャンプして書くんです ジャンプして」 俊文書道会の西里俊文代表と題材を打ち合わせすると、飛び跳ねながら筆を走らせます。 「何点?」 「100点」 「ジャンプしたから?」 「ジャンプしたからだよ」 「きょうのジャンプはすてきだよ いい感じいい感じ」
紙からはみ出るほどの勢いで書き上げる姿はとても楽しそうで、自信に満ちあふれています。 ★俊文書道会 会員 松江宣和さん 「ジャンプして書きました」 「先生が100点200点と言ってほめてくれました」 ★俊文書道会 西里俊文代表 「はじけて見た人がパワーをもらえると言いますかね そして紙から紙面からエネルギーがもうはちきれんばかりのそういうパワーをいただける そういう作品が宣さんの特徴かなと思っていますね」