タブレット学習で子どもの考える力は身につく? 学習スタイルをめぐる6つの悩みに、教育のプロが回答
■タブレット学習にまつわる疑問も… ――タブレット学習で、考える力は身につくの?(小2男子) 思考というのは頭の中でやるものなので、タブレットか紙かという手法は関係ありません。頭の中で思考が動くようにするには子ども自身「なぜだろう」「自分はこう思う」「こういう場合どうしたらいいんだろう」などといった問いが浮かぶこと。学習しているときだけでなく、親子の会話でも伸びていきますよ。(石田さん) タブレットを、子どもが学習を進めるための、一つの道具ととらえてほしいと思います。例えば、プレゼンテーション。どうしたら相手に自分の考えが伝わるか、話し方だけでなく、スライドにどのような情報を入れるか、どのような構成にするかなど、考える必要が生まれます。(白坂さん) ――書く機会が減っていない?(小6女子) 高学年の子どもにはタブレットやパソコンを使って文章をつくる活動をよくします。推敲しやすいからです。子どもによってパソコンを打ちながらのほうが考えやすい子もいれば、鉛筆で書いたほうが次に何を書きたいかが浮かんでくる子もいるので、子どもが選択できるのがいいと思います。(白坂さん) ――教科書のデジタル教材がうまく活用できません(小4男子) 2024年の教科書からQRコードがついて、デジタル教材を子ども自身で活用することができるようになりました。QRコードのおかげでいろいろな情報が付加されて、学びの質は上がったと思うことが多いです。国語ではより文章のイメージがわくような資料が入っていて、理解しやすくなっています。ご家庭で副教材として活用してみるのもおすすめです。(白坂さん) Point タブレットで教育の場に変化あり 先生の話や指示を聞いて子どもが動くことがメインだった教育の場に、タブレットが導入され、文字だけでなく、図や写真、動画などで学べるようになりました。その結果、ディスレクシア(識字障害)のような文字をなかなか認識しにくかったり、反転して見えてしまったりする子どもたちに対してタブレットは有効な手立てとされるようになりました。タブレットの便利さも大きく感じますね。(白坂さん) (取材・文/AERA with Kids編集部) ○石田勝紀/教育評論家 。教育デザインラボ代表理事。2016年からカフェスタイルの勉強会「Mama Cafe」を展開。全国で年間130回以上、累計1.3万人以上のママたちが参加。 ○白坂洋一/筑波大学附属小学校国語科教諭。全国国語授業研究会副会長。『例解学習漢字辞典』(小学館)編集委員。『子どもを読書好きにするために親ができること』(小学館)など著書多数。
AERA with Kids編集部