/19 第70回大会(1998年) 「怪物」松坂完封、横浜が頂点
記念大会となった1998(平成10)年の第70回大会には史上最多の36校が出場した。「平成の怪物」と呼ばれ、「松坂世代」をけん引した松坂大輔投手(中日)を擁する横浜(神奈川)が25年ぶり2回目の優勝を遂げた。 最大の関門は準決勝のPL学園(大阪)戦。松坂投手は0-0の六回2死満塁、古畑和彦内野手に二塁打を打たれ、2点を先取された。横浜は八回、1死二、三塁で4番・松坂投手が三塁ゴロ。三塁手の本塁刺殺を狙った送球が三塁走者の体に当たり、バックネット前まで転がる間に2者が還り、追いついた。 横浜は九回、スクイズで1点勝ち越し。その裏を松坂投手が抑えて競り勝った。甲子園でチームを春、夏各3回優勝に導いたPL学園の中村順司監督はこの試合を最後に勇退した。 松坂投手は決勝で関大一(大阪)を4安打完封。横浜打線も後にプロ入りする関大一の大黒柱・久保康友投手(元ロッテなど)に13安打を浴びせた。 横浜は同年夏の甲子園にも東神奈川代表として出場。準々決勝で南大阪代表のPL学園と再戦し、松坂投手は延長十七回250球を投げて完投勝利を収めた。続く準決勝の明徳義塾(高知)戦を0-6から大逆転した横浜は京都成章との決勝で、松坂投手が無安打無得点試合を記録して史上5校目の春夏連覇を達成した。 松坂投手は明徳義塾戦に先発せず、投手の負担が議論されることに。日本高校野球連盟は翌99(平成11)年12月、延長回数を従来の最長18回から15回に短縮した。=つづく ……………………………………………………………………………………………………… ▽決勝 横浜 010000200=3 関大一 000000000=0