SUMIRE×兵頭功海 「インフォーマ -闇を生きる獣たち-」制作秘話と共演者達への思い
兵頭:アクションシーンは現地で少し合わせて撮影に臨んだのですが、暑い中動き続けるのはやっぱり大変。特にSUMIREさんはあの暑い中、レザージャケットを着て動き続けていたから大変だったと思います。僕はバイクに乗っているシーンがあるんですが、どうやって落ちないようにするか必死でした。バッグを持ちながら片手でバイクに捕まっていたので結構怖くて。カーブは本当にヒヤヒヤしましたね。
WWD:SUMIREさんは二階堂、兵頭さんは優吉。脚本からそれぞれの役柄をどのように読み解き、演じましたか?
兵頭:今回、最終的に仲間を裏切る役柄なのですが、その背景にある優吉の人柄ってどんなものなのかーー作品を読んだ時に、優吉の行動の色々な部分から弱さを感じました。だけど、全身黒の衣装で、ピストルを持って、ロン毛でタトゥーも入っているとなると、僕は体格も大きいしどうしても強そうなイメージになってしまう。内側から滲み出る弱さを、演技や声色でどう表現するかが課題でした。弱い相手には強気に出るのに、強い相手に対しては声が上ずったり…相手によって態度を変えてしまうのは弱い人がやることだと思うので、この役を演じる時に自分は弱い人間だというマインドセットで臨みました。
SUMIRE:私が演じたのは、言葉を発することができない心因性失声症をもつ二階堂。話すことはできなくても仕事ができて、リーダーの鬼塚にすごく忠実。犬みたいに目で見て状況を素早く汲み取り、的確に動くというイメージを持って演じました。言葉を話せない役柄は過去に演じたことがありましたが、心因性失声症の役を演じたのは今回が初めて。実際にそういう人達がどんなふうに過ごしているのかを調べて、たくさんの動画を観ました。二階堂は言葉を話せなくても、感情と共に声を出すことはできる。実際に怪我をしたり、悲しい表現をするシーンでは声を出すのですが、通常喋れない役だからこそ声を出すタイミングがすごく難しい。でも逆に、喋れないからこそ伝えられるものが大きかったりもするんだと思います。