「オルビス」が見据える今後のビジョンとは? 小林琢磨代表取締役社長「生活者に貢献するブランドとして、“素肌ウェルネス”を実現していくブランドになる」
笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。6月22日(土)の放送は、前回に引き続き、オルビス株式会社 代表取締役社長の小林琢磨(こばやし・たくま)さんをゲストに迎え、お届けしました。
小林さんは、2002年に株式会社ポーラ化粧品本舗(現:株式会社ポーラ)入社。2009年にグループの社内ベンチャーブランドとして立ち上げたディセンシア取締役、2010年に代表取締役社長に就任。2017年にオルビスマーケティング担当取締役に就任し、2018年より現職に就いています。
◆物流センターDX改革に注力
小林さんは、オルビスのリブランディングのため、コーポレートロゴをはじめ約6年間に渡って構造改革を進めてきましたが、物流センターの“DX(デジタルトランスフォーメーション)改革”もその主だった1つだと言います。 「現在、国内にはオルビス東日本流通センター(埼玉県加須市)とオルビス西日本流通センター(兵庫県西宮市)の2つの物流センターが稼働していますが、DXで非常に大きな改革をしたのがメインのオルビス東日本流通センターです。2020年8月に330台の小型AGV(無人搬送ロボット)を導入することで物流センターの7割近くを自動化させていきました」と小林さん。 これまでは出荷作業の工程において、人の力に頼る部分もまだまだ多かったのですが、このシステムの導入によって、作業工程の大部分を自動化させることに成功し、作業の軽減かつ効率化を実現しました。そもそも、2018年頃から同システムの構想を考えていたそうで、「当時から物流クライシス(人手不足などで物流サービスを提供するのが困難になる状況)という問題があって、そこに対して早く手を打っておかなければと思ったんです」と説明。 そして「我々みたいな一連のバリューチェーン(価値連鎖)を持つブランドは、どんなにいい商品、いい広告をつくっても、商品がお客さまに届かなければ何もないのと同じ。ですので“お客さまに届ける物流”の部分をサステナブル(持続可能)にしておくのは、バリューチェーンをサステナブルすることとイコールになります。そこで投資をすることを決めました」と語ります。 また、DXを推進することは、あくまでも手段であって、目的は“お客さまに顧客価値を創出するためにやっていること”とし、「それを社内に理解・浸透させていくことがとても大事です」と力を込めます。