「オルビス」が見据える今後のビジョンとは? 小林琢磨代表取締役社長「生活者に貢献するブランドとして、“素肌ウェルネス”を実現していくブランドになる」
◆オルビスが見据えるビジョン
そんな小林さんは「“お客さまに価値を創出する”ということが、我々のようなビューティー系など、消費財を扱っているメーカーの使命」との思いから、ファンミーティングなどの顧客参加型イベントを実施。そこに小林さん自らがZoomで参加するなど、お客さんと直接話す機会を設けていると言い、「リアルなコミュニケーションにデジタルを介すと、逆に緊張感がなく垣根を越えて話せる部分もあるので、すごくいい取り組みになっていると思います」と胸を張ります。 これに笹川が「“ブランドのファン”を増やしていくことは、かなりコアに取り組まれていることの1つなのですね」と感服すると、小林さんは続けて「経営のリソースの境目って、もうなくなっていると思うんですね。例えば、個人の方がお客さまでもあり、株主でもあり、もしかしたら、何かお仕事を手伝ってもらうかもしれない時代じゃないですか。つまり“ステークホルダー(利害関係者)はすべて経営のリソースである”という考え方にシフトしていかなきゃいけない。なので“社長として”ではなく、ブランド人格として、また僕個人として、よりお客さまと(接点を持つ)ことがすごく重要だと思います」と持論を展開します。 そして最後に、オルビスの今後のビジョンについて伺うと「“生活者に貢献していく”ということは創業のときから一切変わっていません。“素肌ウェルネス”という言い方をしているんですけど、単純に肌だけの話ではなくて、人がその人らしく、自分の気持ちや自己肯定感みたいなものも含めて、その人の“素”でウェルネスを感じられると言いますか。自己肯定感が高くて、人を受容できることが多様性の本質だと考えているので、そこと向き合うために、どういうふうにお客さまのブランド体験を通じて貢献をしていけるか(を考えていきたい)」と言及。 さらに、現在の課題として“グローバル”を挙げ、「ブランドとプロダクトに対しては自信があるので、それをグローバルでお届けしていくことを今後しっかりやっていきたい。特に中国とASEAN(東南アジア諸国連合)は(オルビスと)親和性が非常に高いと思っていますので、まずはそこを中心に、よりシェアを高めていきたいと思っています」と近い将来の海外展開を語りました (TOKYO FM「DIGITAL VORN Future Pix」2024年6月22日(土)放送より)