「失業者は4700万人」「GDPは3%上乗せ」……中国で消された「正直すぎるチーフエコノミスト」たちの証言
「経済回復までに9年かかる」
最後にもう一つの面から言いたい。中国の不動産は2020年8月以降、大幅な下降の過程に入った。いまやもう3年以上が過ぎた。これが最近の経済悪化の主要な原因の一つとなっていることは、誰もが広く認めるところだ。 多くの人は、中国は2021年の後に不動産バブルの崩壊を経験したため、工事開始面積や売り上げなどのデータが現在のようになったと思っているだろう。中国の不動産危機の前後3年を比べてみると、その間に経済は大幅に下降し、3年の平均で-7%、真ん中を取っても-3%から-4%、最も少なく取っても-2%だった。 だが(統計上の)中国の経済は、ただ0・2%落ちただけだったのだ。政府の財政拡張も起こっていない状況下で、経済は目に見えて下降しているわけではなかったのだ。 物価、就業、GDPを細かく見て、不動産バブルの崩壊なども考えると、GDPの成長率は毎年、3%上乗せされている。累計で10%分だ。この数値は、都市部の就業人口の流出4700万人と一致する。すべての統計から3%ずつ引くと、どれも整合性がつくのだ。 よいニュースはないのか? 9月26日の党中央政治局(トップ24)会議で、こうした問題を正視しようということになった。いま直面している問題は、成長が鈍化することではなくて、次のような周期による圧力をどう解決していくかだ。 1.バブル崩壊後、経済の成長が正常に回復するまでに、平均で9年かかる。 2.バブル崩壊後、経済はデフレとなり、政府が救いの手を差し伸べてバブル前のレベルに戻るまでに3年から4年かかる。 総じて、2025年はおそらく、重要な分岐点となるだろう。2023年と2024年の統計は異常で、曲折の時期にあった。バブルがもたらした不均衡を修正し、政府も積極的な政策を打つことが、株式市場の運行にも安定して予測可能なマクロ環境をもたらすことになるだろう」 以上である。高氏は、「失業者は4700万人」に膨れ上がり、「(政府は)GDPなどの統計を3%上乗せしている」とまで断言。「周期的な問題」から、やはり2025年の中国経済について、悲観的な見方を示したのだった。