「失業者は4700万人」「GDPは3%上乗せ」……中国で消された「正直すぎるチーフエコノミスト」たちの証言
習近平が強調した「ハイレベルの対外開放」
12月11日から12日まで、経済関係の幹部が一堂に会して2025年の経済政策の方針を決める「中央経済工作会議」が北京で開かれた。会議を主催した習近平主席が重要講話で強調したのは、以下のようなことだった。 ・改革開放を引き続き深化させていく。特に9月26日に中央政治局会議が英断した一連の強化策を実行していく。 ・中国経済の運行は少なからぬ困難と挑戦に直面している。国内の需要が不足し、一部企業の生産と経営は困難になり、人々の就業と増収は圧力を受け、見えないリスクも依然として多い。われわれは困難を直視する。 ・「開放して活性化させる」(放得活)ことと「管理して引き締める」(管得住)ことの経済秩序を形成していく。 ・さらに全面的に改革を深化させ、ハイレベルの対外開放を拡大していく。 ・不動産と株式市場を安定化させ、重点分野のリスクと外部からの打撃を防ぎ、和らげていく。 ・財政支出を強化し、超長期特別国債の発行を増加させ、地方政府の専項債権の発行と使用を増加させる。 ・適度に緩和した通貨政策を実施し、適宜、預金準備率を引き下げていく。 ・財政・通貨・就業・産業・地域・貿易・環境保護・監督管理などの政策と改革開放の措置を協調させ、配合していく。 ・全力で消費の振興に努め、投資の効率を上げ、国内需要を全方位的に拡大していく。 ・「首発経済」(新規のビジネス分野)、「氷雪経済」(ウインターレジャービジネス)、「銀発経済」(高齢者向けビジネス)を積極的に発展させる。 ・「AI+」(人工知能関連ビジネス)を展開する。民営経済促進法を進める。 ・ハイレベルの対外開放を拡大し、貿易と外資を安定化させる。 ・国民の獲得感・幸福感・安全感を増強していく。都市部と農村部の庶民と中小企業の就業計画を支持していく。 全体として、昨年末に比べて、ずいぶんとまともになった印象だった。昨年末には、習主席が「中国経済光明論」(中国経済は明るく光り輝いていると喧伝する論調にしろという指示)をぶち上げた。これには世界の中国ウォッチャーたちが、「そう来ますか?」と腰が抜けてしまったものだ。それに比べて今年は、いまの問題点をきちんと認識し、それに対処していく決意を示した。 実際、11月8日には「5年で10兆元(約210兆円)の緊急財政支出」も発表した。5月17日に発表した、いわゆる「5・17楼市新政」(4つの不動産改革)に始まり、中国政府は矢継ぎ早に、経済「V字」回復のための対策を打ち出しているのだ。 そのことに関連して、これまでになかった「新傾向」として、経済分野に関する「自由な発言」も散見されるようになった。 その代表例として、以下、二人の経済専門家の分析を紹介したい。