「女性アイドルブーム」は曲がり角を迎えたのか?
AKB48が昨年12月に発売した新曲の初週売り上げが90万枚強にとどまり、21作連続で更新してきた初週ミリオンセラー突破の記録がついにストップし、AKB神話崩壊の前兆になるのではと注目されました。また、ももいろクローバーZが「紅白歌合戦」からの卒業を宣言したことも話題になるなど、「戦国時代」とされた女性アイドル業界が曲がり角にさしかかった印象もあります。しかし、アイドル専門ライターとしてアイドルの最前線に詳しい岡島紳士氏は「アイドルは漫画やアニメと同じような、日常的に楽しめるオタクコンテンツの一つとして定着したのではないか」と指摘。アイドルを応援するアプリも静かな人気といい、「テレビの力だけに頼らないアイドルが増えていく」と話しています。
一つのジャンルとして確立?
AKB48の「唇にBe My Baby」は発売三週目に23作連続ミリオンには到達したものの、4月に総監督、高橋みなみさんの卒業が予定されるなど、創設初期を支えた人気メンバーの大半は卒業し、世代交代が急務と見られています。また姉妹グループのSKE48などが紅白出場を逃しました。ももクロも3年連続出演していた紅白の2015年出演メンバーには入らず、逆に公式サイトで「紅白卒業」を宣言しました。 岡島氏は「乃木坂46やアイドルとヘビーメタルの融合をコンセプトにかかげたBABYMETALなどもドームクラスの公演を成功、または予定しており、CDの売り上げ上位も男女アイドルで占められている。海外でもAKB姉妹グループのJKT48(ジャカルタ)などがブレイクしている」とアイドル人気は底堅いとみています。2010年に始まったTIFも年々規模を拡大し、2015年の総来場者数は5万人超と過去最高を更新しました。 「AKB初のヒット曲、大声ダイヤモンドが出た2008年以降に思春期をすごした若者にとってアイドル人気や秋葉原文化は当たり前のもの。もはやブームではなく、漫画、アニメに近い一つのジャンルとして確立してきており、すそ野が広がったことで、アイドル好きを話題にしやすい環境になっている。一方テレビの力も落ちており、テレビに多く露出しなくても売れているアイドルは増えている。紅白も認知度を上げたいアイドルにとっては大事な位置というぐらいではないか」(同氏)。