日本中の新卒採用担当者が「あるある」とうなずく…ESは必ず通るのに「いつも面接で落ちる学生」の特徴
◆特徴その3:台本通りの受け答えしかできない
これは残念ながら面接の準備を一生懸命やった学生ほど発生しやすい。就活初期は自分の憧れの業界や第一志望の有名企業を受けることが多い。当然企業研究は徹底的に行い、面接での想定質問については、学生によっては返答する内容も事前に文章に起こして丸暗記して臨む。 しかし、面接準備においてはこの「丸暗記」が逆効果となることが多い。 暗記した文章を頭の中で思い起こして話すのは、よほど練習していないと棒読みになりやすいし、内容を忘れてしまったときや想定外の質問が来たときに慌ててしまう。 ビジネスシーンにおいても、暗記した内容をそのまま質問の答えとして伝える場面はほぼない。大体は持っている知識と経験から、その場で自分なりに必要な情報を選んで伝える。たとえ情報が多少不十分でも、話すときに言い間違えてしまっても、その場で補足や訂正をしながらやりとりするのが仕事におけるコミュニケーションだ。 企業の採用担当者は、仕事の場面における対応力や人柄を知りたいのであって、準備してきた内容を一字一句正確に伝えることを求めているわけではない。 そういう意味で、面接での言い間違いなどの小さなミスは全く気にする必要はない。想定質問に対して準備しておくことは大切であるが、すべて暗記しようとは思わないほうがいい。
◆面接とは「面接官との協働作業である」という意識を持つこと
過去に学生の就職支援をしてきた筆者の経験上、学生の面接意識が変わり結果が出始めるときは、学生にとって面接が「個人戦」から「面接官との協働作業」という感覚に変わってきたときである。 面接官は合否を出す評価者であるが決して敵ではない。むしろ目の前の学生のよいところを見つけて評価する「仕事」をしている。その仕事を一緒に協力しながらやる意識を持てると面接でのスタンスや面接官とのやりとりも変わってくるはずだ。 今までは限られた面接時間の中で自分のやってきたことを必死にアピールしようとしていた意識から、面接官の聞きたいことに答えようと意識を変えることで、「一方的な長い話」は解消され「キャッチボール型」のコミュニケーションになる。面接官とも雑談できる余裕も出てくるかもしれない。 ぜひ面接はさまざまな会社の人と対話をしながら自分のことを知ってもらう機会として、面接官とのコミュニケーションを楽しんでほしい。
小寺 良二(ライフキャリアガイド)