早朝と夜の運動、どっちが効果的? メリット・デメリットを比較してみた
ウォーキングに出かけたり、ジムでワークアウトに取り組んだりと、体を動かすタイミングによって、運動による効果が1日のなかで「どのように」現れるかが変わってきます。 個人的には、ワークアウトの時間帯を早朝に変更したところ、集中力と生産性に大きな違いが現れました。 以下では、自分にとって最大の効果が得られるワークアウトの時間帯を見きわめる方法をお話していきましょう。
早朝ワークアウトの効果(私の体験)
私は2023年5月、仕事や学習の前に運動すると集中力が増し、情報の処理もよりスムーズになるという記事を投稿しました。 それでも、私は、早起きして仕事前にひと汗かけるようなタイプだとは思っていませんでした。 ところが1年前に、スピニングの早朝クラスを担当した日は、「いつもより」エネルギッシュで、仕事での集中力も高まったのです。 こうした効果と、仕事や学習の前の運動で得られる効果を示した研究とが結びついたのは、ずいぶん時間が経ってからでした(早起きに対する偏見があったせいです)。しかし、私のこの体験が示唆するように、早朝のワークアウトは、生産性向上のもうひとつの手段なのです。 研究によれば、運動で得られる脳の活性化メリット(記憶力アップなど)をフルに享受できるようになるまで、6カ月ほど時間を要する場合があるようです。
早朝ワークアウトの効果(プロの意見)
私の経験は単なる一例にすぎないので、より多くのエビデンスを知る人物に相談してみることにしました。全米各地でフィットネスセンターを展開するPlanet FitnessのリードトレーナーTeddy Savage氏です。 同氏は、「仕事前のワークアウトは、精神集中力や脳機能、長時間のミーティングを乗り切るために必要なエネルギーを高く維持するうえで非常に効果的です」と話しています。 時間帯別に見たワークアウトのメリットとデメリット 大事なのは、自分のスケジュールとニーズに見合ったワークアウトの時間帯を見きわめ、それを継続して習慣化することです。ただし、ワークアウトをするのが朝であれ夜であれ、留意すべきメリットとデメリットがあります。 朝に運動をするメリット・デメリット Savage氏によれば、朝に運動すると、覚醒が促され、脳の認知機能と集中力が向上し、気分が改善されるため、代謝に良い影響があるほか、概日リズムが整って、睡眠の質がよくなるそうです。 一方で、朝に運動する習慣に伴う最大のデメリットは、「早起きしてワークアウトに取り組む」必要があることです。 夜に運動をするメリット・デメリット これに対して、夜に運動する場合は時間的にもっと余裕があるので、より高い運動効果が得られる可能性があります。 また、夜は体内温度が上がっているので、筋肉のこわばりが少ないという利点もあります。 また、私の経験から言わせてもらうと、夜に運動して汗をかくと、その日の仕事や勉強で溜まったストレスを発散できるのも大きなポイントです。 持病があるならそれも、夜に運動したほうがいい理由になる可能性があります。Savage氏によれば、2型糖尿病を患っている人は、夜に運動することを検討すべきだという研究結果があるそうです。運動をすると、インスリン感受性が高まるからです。 一方、1日中働いたあとで、疲れてだるいと、ジムに行く気が起きないかもしれません。それに、就寝まであまり間がない時間帯に激しい運動をすると、アドレナリンが急上昇して、眠れなくなる可能性があります。
理想的なワークアウトの時間帯を見きわめるには
お話ししたように、私は夜のワークアウトが大好きですし、それで問題ありません。Savage氏によれば、運動する「時間帯」よりも、まったく運動しないほうが大きな問題です。 Savage氏は、ジムに通っているメンバーに対して、フィットネス向上の過程は人それぞれだと、よく話すそうです。つまり、誰もが、自分に合った時間帯、運動を継続できる時間帯を自由に探せばいいのです。 大切なのは、異なる時間帯をあれこれ試してみることです。運動する時間帯をいろいろ変えてみて、異なる効果が得られるか確認しましょう。
遠藤康子(ガリレオ)