子どもの「救済機関」、約50自治体に 20日は「世界子どもの日」
20日は、子どもを権利の主体ととらえた「子どもの権利条約」が国連総会で採択された(1989年)ことを記念し、「世界子どもの日」とされる。 【写真】名古屋市の第三者機関は、高校生の疑問に応えて動いた 国内では、各地の条例に基づき、子どもの人権問題に対応する第三者機関を、全国約50の自治体が設置している。朝日新聞の調査では、2023年度は育児や家庭問題など計8千件超の相談を受けていた。 第三者機関は司法や教育の専門家らで構成し、関係機関や行政に対して調査・勧告・提言する権限を持つ場合も多い。「子どもの相談・救済機関」などと呼ばれる。 国連NGO「子どもの権利条約総合研究所」(東京都)によると、5月時点の設置自治体は、4県や5政令指定市など52自治体。 52自治体の機関に対して朝日新聞が10~11月にアンケートしたところ、回答のあった49機関が23年度に受けた相談件数は、実数で少なくとも計8065件。うち2863件は子どもからだった。 同研究所副代表の野村武司・東京経済大教授(子ども法)は、子どもは自分に起きたことを人権侵害だと意識していないことが多いと指摘し、「専門家が子どもから丁寧に話を聞き、一緒に解決策を探ることが大切だ」と話す。(狩野浩平)
朝日新聞社