負けん気とチキンと球筋と アジアめぐる生源寺龍憲は“デカイ人”に負けたくない
◇国内男子◇フジサンケイクラシック 3日目(31日)◇富士桜CC(山梨)◇7424yd(パー70)晴れ(観衆711人) 【画像】女子初の“男子ツアープレーヤー”が誕生 「モロッコと中東は、あんまりご飯が合わなかった」と我慢して食べた“カラフルなサラダ”も良い経験だ。生源寺龍憲(しょうげんじ・たつのり)が今年に入ってアジアンツアーで回ったのは7カ国。プロ3年目で、経験値はぐっと上がった。 10位で迎えた第2ラウンドを5バーディ、2ボギーの「67」で回って通算4アンダー暫定4位。「もう少し伸ばしたかった」と負けん気の強さも海外転戦で磨いたものだ。 昨年ABEMAツアーで2勝をあげ、歴代最多賞金額で賞金王に輝いてレギュラーツアーに昇格。今季は国内で戦いながら、1月に出場した予選会2位の資格でアジアンツアーを回っている。7試合に参戦し、予選落ちが3度で自己ベストは4月「サウジオープン」の17位。体格やパワー、慣れない異国のコースの壁にぶつかりながら少しずつ引き出しを増やしてきた。
300yd弱の平均飛距離は、海外に出れば「平均くらい」。とくに欧米の選手には体格差で圧倒され、30~40yd置いていかれることも少なくない。「衝撃的でした。体もデカくてヘッドスピードも速い。“しょうがない”で終わるけど、デカい人には負けたくない」とトレーニングで飛距離アップを目指す日々。球筋も日本と同じでは通用しない。「今までは上から潰してライン出しのフェードを打っていたけど、グリーンが硬い向こうだとボールが止まらない」と、高さが出るスピンの入ったボールを求めて試行錯誤を続けている。 ゴルフにはこだわりながら、食事や生活面は「意外となんでも大丈夫」と無頓着。スーツケースも、45L前後のサイズに半分くらいしか埋まらない。日本から米や調味料を持ち込む選手も多いが、生源寺が持って行くのは普段から摂取している青汁と酵素だけ。「それだけ摂っておけば大丈夫。なるべく現地のものを食べるようにしています」と、2月の「インターナショナルシリーズ オマーン」で見つけたローストチキンの海外チェーン「Nando's(ナンドス)」が最近のお気に入りだ。 「いろいろな国でプレーして、成長できていると思います」と、今季は日本で10試合を終えて賞金ランクは23位。獲得賞金は約1912万円で、すでに自身初のシード獲得が見えてきた。「ショットは悪くないので、コースがすごく難しいとは思っていないです」と、あすも強気な姿勢でトップを追いかける。(山梨県河口湖町/谷口愛純)