「あの居酒屋の売上は?」で“人材の質”見抜ける訳 「フェルミ推定は無意味」に対する数学的な反論
「数字に弱く、論理的に考えられない」 「何が言いたいのかわからないと言われてしまう」 「魅力的なプレゼンができない」 これらすべての悩みを解決し、2万人の「どんな時でも成果を出せるビジネスパーソン」を育てた実績を持つビジネス数学の第一人者、深沢真太郎氏が、生産性・評価・信頼のすべてを最短距離で爆増させる技術を徹底的に解説した、深沢氏の集大成とも言える書籍、『「数学的」な仕事術大全』を上梓した。 【写真】仕事ができる人はみな、数学的だった 今回は「フェルミ推定」を取り上げ、その回答から成果を出す人かどうかを判断できる理由を解説する。
■「フェルミ推定は意味がない」は本当か 突然ですが、最近飲みに行ったときのことを思い出してみてください。お酒を飲まれない方は、食事に行ったときのことで構いません。思い出せましたか? では、そのお店の「1日の売上」を推定してみてください。 いかがでしょうか。ざっくりと答えを導けた方もいれば、どう考えればいいかわからなかった方もいらっしゃるでしょう。 この手の問いに答える方法を、「フェルミ推定」と呼びます。フェルミ推定を使えば、「日本にコンビニエンスストアはいくつある?」「日本の◯◯市場規模はどれくらい?」「まさにいま山手線を走っている電車の本数は何本くらい?」といった問いにも答えることができます。
私は人材育成の専門家として、数字に強いロジカルパーソンを育成するビジネス数学を提唱しています。仕事柄、ビジネススキル向上を目的とした企業研修に多く登壇しますが、中でも企業側から希望の多いテーマが、じつは「フェルミ推定」なのです。 近年その知名度があがってきたこともあり、「フェルミ推定は意味がない」といった類の意見を目にすることもあります。しかし、私の意見はその反対です。フェルミ推定の問題への回答によって、回答者が「成果を出す人」かどうかが、はっきりとわかってしまうと私は考えています。