安藤忠雄や隈研吾らの新作をチェック!世界各国で完成した日本が誇る有名建築家による注目の建築作品12
3 【2023年】Our Lady of Lourdes Chapel〈中村拓志〉/フィリピン・マニラ
フィリピン・マニラ郊外、丘の上に白い百合の花びらがそっと降臨したようなこのチャペルは、2023年に竣工した、中村拓志さんによる初の海外建築です。丘へと続くアプローチは、あえて蛇行させ、イエス・キリストが十字架刑を宣告されてからの「ヴィア・ドロローサ(苦難の道)」を追体験するようにデザインされました。 聖母マリアの純潔性の象徴である白い百合の花により高さ30mの尖塔をつくりだし、各花弁の間をキールトラスにより構造化しつつ、ステンドガラスより柔らかな光を取り込んでいます。 頂部に向かって張られた天井の三次曲面加工のアルミパネルは、花脈や伸びやかさを強調しつつ、午前の礼拝時にキリストの背後に光が映る計画としています。 チャペル内は無柱空間となっており、構造の存在を消すことで百合の優雅さを最大限に引き出しています。 所在地:C27R+PCG, Civic Dr, Muntinlupa, Metro Manila,フィリピン
4 【2023年】水の美術館〈石上純也〉/中国・山東省
中国山東省日照市の開発地域に計画された、展示スペースとビジターセンターとショップなどを兼ねた複合施設のプロジェクト。全長はなんと約1km。中国の風景の広大なスケール感を受けて「環境と建築を対等な存在として捉えること」が設計のテーマとなったそうです。 人工湖の上に帯のように浮かぶ屋根の下には、湖の水がガラス下部の隙間を通じて引き込まれており、洲を思わせるなだらかな床面が延びています。 自然を建築から切り離すのではなく、文字通り取り込むことで、建築の内側と外側の風景が溶け込んだような空間を実現した建築です。 所在地: 中国山東省日照市
5 【2023年】タネ・ガーデン・ハウス〈田根剛〉/ドイツ・ヴァイル アム ライン
世界中の有名建築家による施設が集結する「ヴィトラ キャンパス」。 2023年に日本人建築家による4つ目の建物が誕生しました。その名は「タネ・ガーデン・ハウス」。田根剛さんが今回つくりあげたのは、敷地面積15㎡ほどの小さな茅葺きの小屋です。 自然に回帰することを構想し、「地上(オーバーグラウンド)」の素材にこだわったというこの建築。 地元の職人たちにの協力によってつくられており、小さなスペースのなかにさまざまなこだわりが詰め込まれています。 所在地:Vitra Campus, Charles-Eames-Straße 2, 79576 Weil am Rhein,ドイツ