労働18.6万時間減 生成AI導入1年 「計画立案から実行も将来AIで」 パナソニックコネクト
パナソニックコネクトは25日、米オープンAIの「Chat(チャット)GPT」をベースに開発した自社向けAI(人工知能)サービスの活用で、1年間で18.6万時間の労働時間を削減したことを明らかにした。今後は、個人の職種や権限に応じて回答を行う個人特化AIの導入も検討する。 【関連写真】将来的なAI像として描くソブリン型で自律的にPDCAを回す パナソニックコネクトは2023年2月から、チャットGPTをベースとしたAIアシスタントサービス「ConnectAI」を国内全社員約1万2400人に展開している。今回は昨年6月から今年5月まで1年間の活用状況をまとめた。 生成AIを活用する際に社員にどれだけの時間が削減できたか尋ねたところ、1回あたり平均約20分、年間で延べ18.6万時間の削減につながっていることを確認した。 23年9月には、自社固有の公開情報を元に回答してくれる「自社特化AI」の試験運用を全社員向けに開始。一定の成果を得たことから24年4月から社外秘情報である品質管理630件(1万1743ページ)にも対象を広げ、品質管理規定や過去の事例を元に製品設計時の質問もできるようになった。 一方で、これまでの取り組みから「自社固有の質問や最新の公開情報に回答できない」「回答の正確性を担保できない」といった課題も浮上。今後は、生成AI用の自社データを構造的に整理し、データが整備され次第、個人の職種や権限に応じて回答を行う個人特化AIの導入を検討するという。 将来的には、現在の1つの問いかけに対して回答するオラクル型AIから、目的達成のため連続したタスクを他システムと連携して完了するジーニー型AI、さらには長期的目標の計画立案からタスクの実行・最終確認まで遂行するソブリン型AIが登場すると想定。同社は「(ソブリン型AIにより)最小限の人の介入で自律的にAIが業務をこなすオートノマスエンタープライズ(自律型の企業)が今後実現できる」ことを見込む。
電波新聞社 報道本部