「14番を新人にわたすのか!」石川祐希は“スター軍団”ペルージャで歓迎されている? 現地記者が聞いた“バレーボールを愛する街”の本音
今シーズンからイタリア王者ペルージャに活躍の場を移したバレーボール日本代表・石川祐希(28歳)。イタリア在住23年のジャーナリスト・弓削高志氏が、日本人に縁のある小さな街を訪ねた。【NumberWeb現地レポート全2回の前編】 【現地写真】「ユーキ!ユーキ!」イタリア女子に囲まれる石川祐希…超かわいすぎる当時20歳の“細マッチョ”筋トレ写真も見る(全200枚超) 秋の入口にイタリアはめっきり涼しくなったが、国の真ん中あたり、中部ウンブリア州にある小さな古都ペルージャの人びとは熱いままだ。 彼らには100年以上の歴史を持つという名物のヘーゼルナッツ入りチョコレートの他に国中で一番、否、世界で一番だと誇れるものがある。 それが、町のバレーボールクラブのペルージャだ。 昨季は“スクデット”と呼ばれる国内リーグ「セリエA」の優勝タイトルを6年ぶりに奪還。コッパイタリアとスーペルコッパ・イタリアーナの国内カップ戦2冠に加え、世界クラブ選手権でも優勝して世界一となり、国内外の主要4タイトルを制する偉業を達成した。現時点でのペルージャは、世界に君臨するトップクラブといえる。 2022年世界選手権MVPのイタリア代表主将兼セッター、シモーネ・ジャンネッリとMBロベルト・ルッソを主軸とするチームをお目当てに、町の西外れにあるホームアレーナ「パラ・バルトン」はつねに満員。地元ファンによる鳴り物付きの応援熱は国内随一で、隣接するサッカー・スタジアム「レナト・クーリ」もかくやと思わせる激しさだ。 競技の経済規模や影響力は地球スケールの巨大産業であるサッカーと比べるべくもないが、地元のスポーツ愛好家にとって、バレー大国イタリアのチャンピオンチームであるという肩書は何より誇らしく、プライドの拠り所となっている。
何度もペルージャを苦しめてきた石川祐希
王者として迎えたこの夏、ミラノでプレーしてきた石川祐希の入団が発表されると、ペルージャ界隈は大きくざわめいた。 中堅クラブのOHでありながら過去に何度もペルージャを苦しめてきた石川の実力はすでに国内でも広く知られており、彼の獲得は退団したベテラン主将ウィルフレド・レオンの抜けた穴を埋めるに十分の補強だと誰もが納得できるものだ。 だが、石川がモデナ時代から大事にしてきた背番号14をつけることが知れ渡ると、途端に地元ファンの間で議論が起こった。 曰く「入団はウェルカム、背番号に異議あり」。「ペルージャにおける背番号14とは、2013年から通算8年間在籍し、2018年の初優勝時の立役者である(セルビア代表OP)アレクサンダル・アタナシエビッチの象徴」、「クラブは本来永久欠番とするべきだった14番をスクデット経験もない新人にわたすのか」といった異議の声だ。 すでにイタリア歴も長い石川が、これらの声を耳に入れなかったはずがない。彼はすぐにクラブにおける背番号14の意味を十分に理解した上で、自分の価値を証明するという趣旨の発言をしている。
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