プロの評価はお金で決まると言っていい。年俸はその年の成績によって決められるもの。他人と比べるから文句が出るし欲が出るのだ【張本勲の喝!!】
恵まれているプロ野球
吉田正尚[写真左]は破格の金額で今季からレッドソックスへ[写真=Getty Images]
この号はマネー特集になると聞いたから、今回は「お金」に関することについて、私の経験や意見を話していきたいと思う。 そもそも日本のプロスポーツの中で、これほど稼げるスポーツはほかにないだろう。もちろんほかのスポーツでもトップ中のトップは大金を手にしているが、これほど多くの選手が何億円、何千万円と稼いでいるのは野球だけだ。昔は一軍のレギュラーでなければ高給取りにはなれなかったが、今は一軍と二軍を行ったり来たりしているような選手でも、十分な年俸をもらっている。 現在は給料は銀行振り込みが当然だと思うが、私が東映に入団した当時(1959年)はまだ手渡しだった。東映は球団事務所が京橋にあったから、判子を持って受け取りに行っていた覚えがある。すぐに銀行振り込みになったと思うが、やはりその日は特別にうれしかった。 若い読者の方はご存じないだろうが、私がプロに入る前、歌手のフランク永井さんの「13800円」という歌が流行った(57年2月発売)。大卒サラリーマンの初任給が13800円くらいだったのだ。東大、京大の一流大学を出てもそれくらいの時代に、高卒の私は7~8万円はもらっていたと思う。やはり昔からプロ野球選手は恵まれていたのだ。夢があったし、希望があった。 1年目に新人王を獲得し、2年目にして3割をマーク。3年目に首位打者に輝き、4年目は・・・
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週刊ベースボール