「小学生ですら“人気者でないと人間の価値がない”という価値観に」 SNSにむしばまれる子供たち オーストラリアでSNS禁止法が成立へ
「“人気者でないと人間の価値がない”という考えに染まり……」
【前後編の後編/前編を読む】「“1日200キロカロリーで健康に”というデマを信じ…」 SNSにだまされ拒食症になる若者たちの自殺が豪で増加 【写真を見る】殺人、イジメ自殺に薬物 SNSにハマる若年層の行動が社会問題となっているオーストラリア オーストラリアでSNSを禁止する世界初の法律が具現しようとしている。実際は16歳未満という限定がつくが、そこにこそ、かの国が抱える恐ろし過ぎる現実があった。日本も対岸の火事とばかりに無関心ではいられないのだ。 ***
前編【「“1日200キロカロリーで健康に”というデマを信じ…」 SNSにだまされ拒食症になる若者たちの自殺が豪で増加】では、オーストラリアで起きている、SNSがきっかけとなった悲劇について報じた。 「ウチの息子は中学2年生ですが、小学校時代の同級生で問題行動を起こすようになった女の子が行方不明で、警察沙汰になっています」 そう話すのは、現地で13年間暮らしている40代の日本人女性である。 「息子の話では、行方不明の女の子は小学3~4年生くらいの時にTikTokを始めて、ダンスを踊って投稿するなど、ものすごくハマっていた。小学6年生の頃には、“人気者でないと人間の価値がない”という考えに染まり、クラスでも人気のある人の話は聞くけど、そうでない人とは付き合わない。そうやって周囲の人をジャッジするようになってしまったそうなのです」
「違法薬物に手を出すようになり……」
ご存じの通り、インスタグラムやTikTokなどのSNSは、フォロワー数や「いいね」の数を競う場と化している。 「行方不明になった女の子も、SNSにのめり込み“痩せていないとキレイじゃない”とか若いうちから特定の価値観を植え付けられてしまって……。挙句に大麻のみならずコカインなどの違法薬物に手を出すようになり、男の子の家に入り浸って中学2年になって退学。両親にも連絡をしなくなり、行方不明になってしまったのです。親の立場からすれば、SNSが子供の価値観を根本から変えてしまったように感じます」(前出の日本人女性)