「小学生ですら“人気者でないと人間の価値がない”という価値観に」 SNSにむしばまれる子供たち オーストラリアでSNS禁止法が成立へ
欧米諸国でも同様の議論が
「そもそもTikTokやインスタは13歳以上を対象にしたSNSですが、実際には13歳未満にも利用されており、さまざまな問題が起きているのです」 と話すのは、ITジャーナリストで成蹊大学客員教授の高橋暁子氏である。 「脳科学の研究によれば、人間の前頭前野は20歳くらいまでは成長途上にある。そのため、10代の子供たちは冷静な判断や我慢ができず、カーッとして衝動的になりやすく、誹謗中傷しやすいと指摘されています。ゆえに子供たちは、デマを含むSNSの誤情報を信じ、途中でやめなきゃと思っていても夢中になって見続けてしまう。米国では州によって若年層のSNS利用を制限する法案が成立し、仏英でも同様の議論が起きています」 片や闇バイトによる連続強盗など、SNSが絡む事件が多発する日本では、法規制など皆無で野放しのまま。大人たちまでもがSNSに扇動され、選挙で騒動を起こす世とあっては、憂いが募る一方なのだ。 前編【「“1日200キロカロリーで健康に”というデマを信じ…」 SNSにだまされ拒食症になる若者たちの自殺が豪で増加】では、オーストラリアで起きている、SNSがきっかけとなった悲劇について報じている。 *** (相談窓口) ・日本いのちの電話連盟 電話 0570-783-556(午前10時~午後10時) https://www.inochinodenwa.org/ ・よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター) 電話 0120-279-338(24時間対応。岩手県・宮城県・福島県からは末尾が226) https://www.since2011.net/yorisoi/ ・厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」やSNS相談 電話0570-064-556(対応時間は自治体により異なる) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_info.html ・いのち支える相談窓口一覧(都道府県・政令指定都市別の相談窓口一覧) https://jscp.or.jp/soudan/index.html 「週刊新潮」2024年11月28日号 掲載
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