【学生長距離Close-upインタビュー】トラックで活躍する日体大・平島龍斗「他校のエースと1区で勝負を」
大学長距離選手のインタビューをお届けする「学生長距離Close-upインタビュー」。41回目は、日体大の平島龍斗(3年)をピックアップする。 日体大は3大会ぶりの伊勢路行き決める 5人の3年生中心で確実にレース進める/全日本大学駅伝関東選考会 駅伝シーズンに味わった悔しさを糧に、トラックシーズンでは記録を残し、6月の全日本大学駅伝関東学連推薦校選考会で日体大の3年ぶりとなる本戦出場に貢献した。 ここまでの歩みや陸上を始めたきっかけなどを振り返りつつ、今季の目標や思いなどを聞いた。
駅伝シーズンの悔しさを糧に
3年ぶりとなる伊勢路切符をつかんだ日体大で、平島龍斗(3年)が主力として確実な成長を遂げている。 6月の全日本大学駅伝関東地区選考会では、各校のエース格が集まった最終4組9位(28分56秒14)でチームトップ。3年ぶりとなる予選通過の立役者の一人となった。 一方、駅伝シーズンでは大きな挫折を味わった。箱根駅伝で1区を担った平島は、トップの駒大から2分34秒差の区間最下位(1時間3分36秒)に沈む。「前日まではそれほどプレッシャーは感じていなかったのですが、当日の朝、大手町の独特の雰囲気に飲まれてしまいました」。自信を持ってスタートラインに立つことができなかった。 各校のエース格が集まる1区で、超ハイペースに対応できなかった。5㎞の通過は14分10秒。「自己記録と10秒ちょっとしか変わらない。しかも後15㎞もある…」。気持ちで後手に回ると、少しずつ集団から遅れ始めた。1年生の時から自ら希望していた1区だったが、流れを作る役割を果たせない。「走り終わって3時間は涙を流していました」と振り返る。 日体大は復路で盛り返し、総合16位。しかし、責任を感じた平島のショックは大きく、1月中はほとんど練習に身が入らなかった。幼いころから憧れていた大舞台だっただけにダメージが大きく、心の火も消えかけそうにもなっていた。 立ち直るきっかけとなったのが、2月の2つの駅伝だ。11日の第78回市町村対抗かながわ駅伝と、18日の第4回全国招待大学対校男女混合駅伝。「結果にこだわらず楽しく走れれば」と、地元・綾瀬市チームで出場したかながわ駅伝は6区(5.064km)で区間賞。大学男女混合駅伝では1区(3㎞)で区間3位(8分10秒)。楽しんで走る経験を経て、沈んでいた心が吹っ切れた。 3年生となり、トラックシーズンで平島は好記録を連発。4月の織田記念5000mで13分53秒85の自己ベストをマークすると、5月の関東インカレでも13分56秒86で11位。そして、6月の全日本選考会の好走へとつながる。 7月にはホクレンディスタンスチャレンジ深川大会10000m(17日)と、千歳大会5000m(20日)に中2日で出場。「夏合宿前の質の高い練習の意味合いでした」というが、両大会とも暑いコンディションの中、それぞれ28分53秒38、13分59秒22でまとめ、地力の高さを見せた。