半導体需要取り込み・値上げで9月中間決算「増収」7割に…九州・山口・沖縄の主要50社
九州・山口・沖縄に本社や拠点を置く主要企業の2024年9月中間決算が出そろった。集計した50社のうち、売上高が前年同期と比べて増収だったのは34社と7割を占めた。半導体関連の工場集積に伴う需要の取り込みや値上げなどが収入を押し上げた。一方、原材料高や賃上げで費用が増えた企業も多く、最終利益は6割の29社が減益か赤字となった。(川口尚樹) 【表】地場主要50社の2024年9月中間連結決算
「仕事量が増え、利益率も向上している」
電気設備工事を手がける九電工は売上高が1割、最終利益が3割伸び、ともに中間期として最高で、石橋和幸社長は決算記者会見で胸を張った。九州で進む半導体関連の工場建設や首都圏などでの再開発需要を取り込み、今後も好調さを維持すると見込む。
産業機械販売のリックスも、自動車メーカーが進めるハイブリッド車などの電動車向け設備投資の需要から売上高は過去最高だった。安井卓社長は「(発注側との)価格交渉で値段も上げることができている」と明かす。
スターフライヤーはコロナ禍からの需要の回復や、値上げの効果から増収となり、中間期としては5年ぶりの黒字を確保した。百貨店の岩田屋三越(福岡市)は訪日客の増加によって高級ブランド品の販売が伸び、売上高、最終利益ともに最高だった。
一方、原材料高や人件費の負担増が利益の押し下げ要因となるケースも目立った。
博多ラーメン店「一風堂」を展開する力の源ホールディングスは、訪日客の来店増加などで売上高は過去最高となったが、主に海外店での原材料高や人件費上昇のあおりを受けて減益だった。ドレッシング販売やレストラン事業のピエトロも原材料高などで増収減益となった。ホームセンターのナフコは減収減益だった。物価高を受けて節約志向が高まり、日用品の値引き幅を拡大せざるをえなくなって業績が沈んだ。石田卓巳社長は「消費低迷が続き、不安定な状況が続いている」とし、25年3月期の通期の業績予想も下方修正した。