“鬼門”のW杯最終予選初陣へ森保監督「大きな目標を持ちつつも…」3年前との違いは早期全員合流と”個の成長”
日本代表の森保一監督とMF遠藤航主将が4日、北中米ワールドカップアジア最終予選・中国戦(5日、埼玉)の前日会見に出席した。遠藤は過去2大会連続で敗戦を喫した最終予選初戦に向けて「いよいよ最終予選が始まるということで非常に楽しみ。選手としては今できる環境で最大限、最高の準備をみんなでしてきているので、明日の初戦、チーム一丸となって勝てるように頑張っていきたい」と意気込みを語った。 【写真】「スタイル抜群」「目のやり場に困る」“勝利の女神”のアウェー遠征に反響 過去の日本代表にとってW杯最終予選の初戦は一つの“鬼門”。2016年のロシアW杯最終予選初戦でUAE、21年のカタールW杯最終予選初戦でオマーンにそれぞれ敗れており、現在2連敗中の難しい試合だ。苦戦の要因としては、初戦で対戦するFIFAランキング下位の対戦相手が入念な日本対策を敷いてくることに加え、初戦が組まれる9月シリーズは欧州シーズン開幕直後とあり、中心選手が長距離移動や気候の違いでコンディション調整に苦しむことなどが挙げられてきた。 もっとも前回予選はDF冨安健洋(アーセナル)が移籍手続き、MF守田英正(スポルティング)がコロナ禍の入国規制でそれぞれ合流できないなど、準備期間にアクシデントが相次いだのに対し、今回は招集メンバー27選手が試合前々日の時点で全員が合流。日曜日に欧州でのリーグ戦を終えた選手たちは日本サッカー協会(JFA)のチャーター便で帰国し、移動時間を短縮するなど、ベストなコンディションで臨むべく最大限の準備が進められてきた。 こうした状況を受けて遠藤は「前回大会の最終予選の結果は経験した選手たちはみんな覚えているし、アジア杯の悔しさも含め、簡単ではないということはみんな身に染みてわかっている」としながらも、過去の結果を過度に意識しない姿勢を強調する。 「先は長い戦いになるが、一戦必勝、この次の中国戦に最大限、力を発揮することが大事」(遠藤) 主将としてそう心構えを説きつつ「前回大会どうこうというネガティブなことをあまり意識しすぎず、ポジティブにみんな良い準備をしているので、エネルギーを試合で出していければおのずと結果はついてくる。厳しい戦いになるのはわかっているが、自分たちに力があるという自信を持って、楽しみながら勝利を掴み取れればと思う」と力を込めた。 また同じく会見に出席した森保一監督も前回予選の教訓について「中国は非常に力を持ったチームなので、相手の分析から来る我々がどう攻撃をしたらいいか、守備をどうしたらいいかを全体的に共有し、チーム戦術を共有する、個々の役割をできるだけ明確にしていくことを試合に向けてやっていかないといけない」と相手対策の重要性を指摘しながらも、日本選手の状態を重視。「相手のことをもちろんリスペクトして戦わなければいけないが、我々が一人一人コンディションを上げていき、しっかりとパフォーマンスできるように準備していかなければいけない」と強調した。 とはいえ中国への対策も入念に準備しているようだ。遠藤は前回予選のオマーンを率いた中国のブランコ・イバンコビッチ監督を「日本のことをよく分析している監督」と警戒しつつ、「おそらく(日本が)ボールを持つ時間は長くなると予想しているので、リスクマネジメント、カウンター対策をやっていかないといけない。あとは質の高い選手がいて、セットプレーもいい準備をしている印象を受けているので、そこの対応は引き続きゴールキックも含め、しっかりとした準備をしていかないといけないと思う」と具体的な展望にも言及した。 大事な初戦に向けた準備は万端。あとは「3年前と今の違いは間違いなく個の成長にある」(森保監督)というピッチ上のクオリティーで上回っていく構えだ。世界一という目標を掲げる第2次森保ジャパンだが、まずは目の前の試合から。森保監督は「高い、大きな目標を持ちつつも、目の前の一戦一戦に最高の準備をして戦いたい」と一戦必勝を誓った。