砂上の未来都市“ドバイ” 治安の良さと税金の安さは世界トップクラス…一方で「犯罪者が集う街」のイメージも? 現地在住日本人と考える“光と影”
■なぜ逃亡者はドバイへ?
そんなドバイを、犯罪者が逃亡先に選ぶ理由は何か。山田氏は、まず「ビザの取りやすさ」を挙げる。続いて経済特区がゆるく、「会社を作れば、家族や従業員のビザも出て、そこへ潜り込める」ことがある。また、金融面でも「海外で持っている仮想通貨をドバイで引き落とせば、税金がかからない。まったく足がつかずに送金できる“イスラム金融”の仕組みもあり、犯罪で稼いだお金を使いやすく、調査されにくい」といった利点がある。 ドバイ警察によると、2022年までの過去2年間で、国際指名手配犯は432人が逮捕された。罪状は計画的殺人、資金洗浄、武装強盗など、さまざまな犯罪行為におよんでいる。そのため、対外的なアピールとして、たまに一斉摘発を行うという。「国民に危害を加えそうな、海外で指名手配されている強盗・殺人犯は強制送還する。ただ、石油依存から脱却した経緯もあり、開発した不動産を買ってもらうなど、経済を支えてくれるのであれば、お金の出どころは調査しない」。 鈴木氏は、現地の雰囲気として「犯罪者も確実に入ってきているだろうが、生活で実感する機会はない」と語る。「彼らもバレないために、ドバイ国内で目立つことはしない。危害を加えられることも、そうした人々と遭遇する機会も少なく、犯罪に関する危機感はあまりない」。(『ABEMA Prime』より)