工藤会ナンバー3菊地敬吾被告「いつか説明しようと思っていたが否認していたから…」 控訴審で関与認めた理由を証言
市民を標的にした6つの事件に関与したとして1審で無期懲役の判決を受けた工藤会のナンバー3・菊地敬吾被告の控訴審が、6日福岡高裁で行われた。 【写真で見る】事件現場 無罪を主張した1審から一転、初公判で3つの事件について関与を認めていた菊地被告。 被告人質問で「いつか説明しようと思っていたが否認していたから言えなかった」と一転して関与を認めた理由について話した。 ■1審は「無期懲役」 起訴状によると、特定危険指定暴力団・工藤会のナンバー3・菊地敬吾被告は、福岡県警の元警部銃撃事件や看護師襲撃事件など、市民を標的にした6つの事件に関与したとして、組織犯罪処罰法違反などの罪に問われている。 1審で菊地被告は無罪を主張したものの、福岡地裁は6つの事件すべてで菊地被告の関与を認定。無期懲役を言い渡した。 ■控訴審無罪主張から一転関与認める 今年2月、控訴審の初公判で弁護側は1審の無罪主張から一転、「元警部銃撃事件」「看護師襲撃事件」「歯科医師刺傷事件」の3つの事件への関与を認めた。そのうえで、「殺意はなかった」として「傷害罪にとどまる」と主張した。 一方、検察側は「新供述は信用できない」などとして控訴棄却を求めた。 ■被告人質問で語った「関与を認めた理由」 6日に行われた被告人質問にスーツ姿で出廷した菊地被告。 何度か傍聴席に目をやる様子も見られた。 6日の被告人質問では、菊地被告が一転して関与を認めた3つの事件について、検察官が質問した。 ■元警部銃撃事件 (検察)自分の発案で田口(若頭)に指示した?(菊地被告)そうです。 (検察)被害者を襲撃すれば工藤会に捜査の手が及ぶとは考えなかった?(菊地被告)あるかなと思っていましたけど…現行犯で捕まらなかったらいいかなと。今考えたら浅い考えでした。 (検察)野村総裁や田上会長に自分の指示だと打ち明けなかったのはなぜ?(菊地被告)会本部に入った時に会長に「どうなっとんか?」と聞かれたが、しらをきった。「うちのメンバーは全員おりますから分かりません」と。 控訴審で一転、この事件への関与を認めた菊地被告。 1審で弁護士にすら関与を打ち明けなかった理由を問われると、次のように答えた。 (菊地被告)「いつか説明しようとは思っていた。否認していたから言えなかった」