春日部の「地下神殿」、台風後は人力で清掃してました… 江戸川河川事務所が投稿、当時の様子を聞きました
埼玉県春日部市にある「地下神殿」こと首都圏外郭放水路。台風10号で増水した川の水を取り込んだ後、人力で清掃する様子がSNSに投稿されて話題となりました。管理している国土交通省江戸川河川事務所を取材しました。
首都圏外郭放水路とは
洪水を防ぐために建設された首都圏外郭放水路。 倉松川や大落古利根川などの洪水を地下に取り込んで江戸川に流す、世界最大級の地下放水路です。 地下神殿と呼ばれている場所は、水の勢いを弱めてスムーズな流れを確保する「調圧水槽」。 地下22mの位置にあって、長さ177m、幅78m、高さは18mもあります。 重さ約500トンもある柱が59本も立っている光景は圧巻です。
「やっぱり人力なんだ」
8月下旬、そんな地下神殿に今年度初めて水が入りました。 各地で大雨をもたらした台風10号の影響で増えた川の水を取り込んだのです。 YouTubeに公開されている動画には、地下神殿に水が流れ込む様子が収められています。 そして9月11日には、X(旧ツイッター)の公式アカウントが地下神殿を清掃している写真を投稿。 ポンプで排水した後、底にたまった泥を人力で丁寧に掃除したようです。 この投稿に対して、「やっぱり人力なんだ」「人の手が入ってこその地下神殿なんですね」といったコメントが寄せられ、いいねは5万を超えています。
河川事務所に聞きました
「排水翌日から通常見学を再開するために、急ピッチで作業した時の写真になります」 そう話すのは、江戸川河川事務所の担当者です。 清掃したのは見学者が訪れる部分のみで、全体の3分の1ほど。 泥が数センチたまっていても機能的に問題はないそうですが、見学者向けにきれいにしたといいます。 今回は泥を横によけただけですが、数年に1度は重機を入れて堆積物を外に搬出しているそうです。 投稿が話題になったことについては、こう話します。 「話題になってありがたいです。きれいな状態で見ていただくために清掃していることが伝わってよかったです」