扶養内パートですが、最低賃金が10年で「780円→1055円」になりました。130万円の壁が“最低賃金”にあわせて変わっていたら、「176万円の壁」になるって本当ですか?
せめて物価上昇を考慮してほしいが……
2014年の130万円と2024年の130万円は価値が違います。理由は物価が上がっているからです。2020年を100としたときの消費者物価指数(総合指数)を見てみましょう。2014年平均は97.5なのに対し、2024年9月は108.9と10年間で約1.12倍になっています。 つまり2024年の130万円は、2014年の116万円と価値が等しく、130万円の壁を守り続けている人は、実質的な年収が14万円減っているのです。 逆に2014年の130万円は2024年の約146万円の価値と等しくなります。せめて130万円の壁を物価の上昇に応じて柔軟に変えてほしいものですが、130万円のままなのが現状です。
130万円の壁はどんどん厳しくなる! 超えて働くことも検討を
最低賃金の引き上げと物価の上昇が同時に進む中、年収の壁が10年前の基準のままであることは、多くの扶養内パート労働者にとって大きな問題です。最低賃金や物価の上昇に合わせて「130万円の壁」を引き上げなければ、実質的な収入の向上が望めず、働く意欲を阻害してしまいます。 とはいえ、「年収の壁」に関する制度は一個人では変えられません。政府が年収の壁を変えないのであれば、社会保険料の負担が気にならないほど年収が増える働き方にシフトするのも、1つの手段でしょう。 出典 厚生労働省 平成14年度から令和6年度までの地域別最低賃金改定状況 執筆者:浜崎遥翔 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
ファイナンシャルフィールド編集部