日産フェアレディ280Z(昭和53/1978年8月発売・S130型) 【昭和の名車・完全版ダイジェスト101】
70年代後半、スポーツカー不毛の時代に、2代目フェアレディZは期待の星となった。装備の充実や居住性の改善も人気を呼び、毎月1000台以上の販売を記録し、昭和54(1979)年には全世界で10万台を超える販売を達成。北米では女性ユーザーの支持も集め、1979年にアメリカの「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞している。
ターボと60タイヤで息を吹き返した2L Z
昭和55(1980)年春に初めてマイナーチェンジを行い、2Lエンジンを積むZ-Tに2トーンのボディカラー(マンハッタン・カラー)を設定する。L20E型エンジンのギア比を変更し、L28E型にはエンジン集中電子制御システム(ECCS)を採用するなど、ドライバビリティ向上にも熱心に取り組んだ。 1980年11年、Tバ ー ル ーフ車を追加。L20型エンジンにもECCSを採用するが、最高出力は125psと5psダウン。Tバールーフ車には黒/銀2トーンの専用色・マンハッタンカラーを新設定。 秋には海外向けZで好評を博しているTバールーフ装着車を国内市場にも投入した。二重箱型断面の特殊な構造でルーフとボディの補強を行い、アメリカのロールオーバーテストにも合格している。脱着式Tバールーフは日本で初の試みだった。これを機に2ℓエンジンもECCS制御に進化した。 昭和56(1981)年10月のマイナーチェンジで、フロントマスクを化粧直しし、リアコンビランプのデザインも変更。メカニズムではL28E型エンジンのパワーアップが挙げられる。グロス145ps&23.0kgmから155ps&23.5kgmに性能向上を図った。 翌昭和57(1982)年10月、待望のターボ搭載車が登場する。ターボの投入が遅れていたのは、運輸省(現在の国土交通省)がスポーティカーのターボ装着に慎重な姿勢を見せていたからだ。重い腰を上げて認可したことにより、Zの主役は高性能なターボ搭載車に移る。エンジンは2LのL20ET型SOHCで145ps&21.0kgmを発生する。 また、ターボの投入を機に60タイヤと15インチホイールをZ-Tに標準装備した。60タイヤの採用は日本初。デジタルメーターもオプション設定となる。テレビドラマの『西部警察』にも使われ、話題を撒いた。