《ブラジル》祖父の「一生分の貯蓄」すった孫娘=ネットの違法賭博に目がくらみ
22歳の孫娘が、83歳の祖父の口座から17万9千レアル(約515万円)を盗み、「フォーチュン・タイガー(Jogo do Tigrinho)」というオンラインのスロットゲームに使い込んだとして逮捕された。祖父は口座に248レアル(約7130円)しか残っていないことを発見し、被害届を提出。警察は被害者の孫が銀行で取引を行っている映像を入手し、逮捕に至った。6月29日付G1サイトなどが報じた。 この事件はパラナ州北西部のジュサラ市で発生した。わずか1カ月余りで、孫娘が祖父の「一生分の貯蓄」をギャンブルにすった。彼女は犯罪を否定しているが、銀行の防犯カメラには、ATMを操作し、祖父の口座で取引を行う姿が捉えられていた。 同件を捜査しているガブリエル・ステッカ警部によると、この男性は自身の銀行口座残高を見て、不審に思った。今年に入って彼は被害届を提出し、捜査が開始された。 捜査の結果、2023年9月18日に被害者の口座に17万9千レアルがあったが、わずか約1カ月後の10月31日には残高は248レアルまで減少していた。孫娘の口座を分析したところ、同時期に祖父の口座から孫娘の口座への送金が59回確認された。 孫娘は供述で犯行を否認した。身柄拘束の審問で、裁判所は彼女の公判前勾留を維持した。彼女は詐欺による窃盗と信頼の濫用で起訴される可能性があるという。 警察によると、被害者の男性は孫娘が窃盗の疑いをかけられていることを知り、「まさか」と驚いているという。彼は「一生かけて貯金してきたお金」だと話しており、退職後に悠々自適の生活を送るためコツコツ貯めた資金だった。 ブラジルでは違法賭博の「フォーチュン・タイガー」による被害がここ数カ月で急拡大し、問題となっている。主な問題点は、インフルエンサーによる偽の勝利報告や、賞金の支払い遅延または未払い、違法で秘密裏に運営されていること、犯罪組織による運営などが挙げられ、多くの消費者に損失をもたらし、警察は関与者の捜査を行なっている。 6月27日付G1サイトによると、このゲームに関する警察への通報は2023~24年にかけて、サンパウロ州だけですでに500件以上寄せられている。