「影の首相」自民・森山幹事長の老かいな手練手管 国民民主、維新をはかりにかけつつ、あわよくば?
1月24日に召集予定の通常国会。少数与党に陥った自公政権にとって、2025年度予算案をいかに成立させるかが最大の焦点となる。正月のラジオ番組で、石破茂首相が大連立について「選択肢としてはある」などと口にしたのも、このためだろう。与党は、野党の一部を賛成に引き込まないと予算案を通せないが、野党各党を揺さぶりながら、老かいに交渉を進めているのが、「影の首相」とも呼ばれる自民党の森山裕幹事長(79)だ。 【写真】共通の趣味で石破茂氏、前原誠司氏が美女とご満悦の様子はこちら 与党が昨年12月の臨時国会で補正予算を成立させた際、最大の焦点は所得課税の最低ライン「103万円の壁」だった。国民民主は、看板政策である「103万円の壁の引き上げ」について最低賃金の上昇率などを根拠に178万円への引き上げを要求。しかし、政権内部には税収減を不安視する声が強く、自民・公明・国民民主の3党の税調会長レベルの協議は行き詰まった。そこで森山氏が3党の幹事長協議を提案。12月11日に森山氏、公明の西田実仁幹事長、国民民主の榛葉賀津也幹事長が協議し、「178万円を目指して、来年から引き上げる」とする合意文書を作ることで、国民民主は補正予算案に賛成することを決めたのだ。 合意文書を交わしたものの、「目指して」というだけで、引き上げの時期や金額などはあいまいなまま。これには石破茂首相も感心したようで、周囲に「目指して、というのは芸術的な言葉だ」と満足げに語ったことが報じられた。 その後、自公国3党の税制調査会長による協議で、「103万円の壁」の引き上げ幅を巡る議論が続いたが、自公は20万円引き上げた123万円を提案。178万円を求める国民民主との溝は大きく、税調会長協議は12月17日に決裂した。そこでまた出てきたのが森山氏。20日に3党幹事長による協議を開くと、国民民主の榛葉氏は「幹事長間でも知恵を出していきましょう」と応じて、引き上げ幅についての協議が再開することになった。 自民党幹部はこれについて、 「決裂して、国民民主が立憲民主と組んで不信任(内閣不信任決議案)で来ると危ないと思ったが、さすが幹事長だ」 と感嘆する。