レジェンドと女子高校生と時代の変化と
時代が動く。 時代が変わる。 そんなことを強く感じている今日この頃。
1月30日。Legend Racing Drivers Club(LRDC)主催の新年懇親会においてスター・オブ・トゥモロー賞の授賞式が行われた。昨シーズン国内トップフォーミュラとツーリングカーカテゴリーを制しダブルチャンピオンを獲得、世界への切符を手にした宮田莉朋選手。そして、主に海外においてフォーミュラレースで実績を重ね、F2000トロフィーでチャンピオンを獲得。今年国内のトップフォーミュラシリーズ、全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦が決まった野田樹潤(Juju)選手が選出され、受賞した。
LRDCの懇親会は、モータースポーツで活躍し歴史を刻んできた往年のドライバー達と関係者、ファンの皆さんが一堂に介して和やかな雰囲気に包まれる夜会だ。今年は、その中にこれまでとはちょっと違った多くのメディアが集まっていた。それは17歳の女性ドライバーの挑戦を取材するメディア。新聞、雑誌、映像の各媒体。その注目度は思っていた以上に高い。LRDCの役員が受賞に際して壇上でインタビューを受けている様も、これが高校生の女性かと思うほど自分の言葉で受け答えしていた。男性中心のレースという世界に挑戦している困難さ、女性を積極的に受け入れようという状況ではない現状をしっかりと表現していた。
F1参戦の経験を有する父、野田英樹氏と母、スタッフと共にヨーロッパを転戦し、その中で培ってきた強さが既に備わっている。ただ授賞式の会場で見る普段着の様相では、彼女にそのレーシングスピリットが備わっているかどうかをその外観からだけではわからない。
日に日にジェンダーレスが求められる時代になっているとはいえ、他の世界とレースの世界が異なることは、父の野田英樹氏そしてJuju選手本人がこれまでの経験を通して体現してきた。これまで海外で結果を表してきたそのパフォーマンスは、国内の最高峰フォーミュラで今年見ることができる。先に行われた合同テストに初見参したJuju選手は、トップ選手から2秒差までタイムを縮めてきている。しかし、予選ともなれば1秒という時間の間に10台以上がひしめいて鎬を削るというとてつもない闘いの場が待ち構えている。