サーフィン歴45年の俳優・宍戸 開が60歳で“全日本大会”に挑戦。筋トレは週7、頼るのは本能
緊張脱力という筋トレ理論で病気と怪我を防ぐ
「本能的に鍛える」とはどういう意味か。 「たとえば『10回×3セット』が何となく筋トレのベースになってますよね。それは、誰も怪我をしない、失敗をしない平均的な回数なんだと思いますけど、誰かの教科書より僕は自分の本能を頼りにしてます。 その日の体の可動域とか、自分のやる気によって、可変してる感じですね。年を取ってくると、ただがむしゃらに鍛えることだけが体を発達させたり、技術を高めたりするんじゃないことがわかってくるので」。 さすが、年の功。筋トレをする目的も幅広い。
「筋肉隆々にしたいわけじゃなくて『緊張脱力』っていうのかな。筋トレによって緊張と脱力を繰り返すことで、病気や怪我が防げると僕は考えています。血液の流れが滞るから頭が痛くなったり、ちょっとぶつけただけで腫れたりして炎症が起きるので。 だから、血流をスムーズにするために常に体を動かす。ストレッチをしたり、体をもみほぐしたり。僕にとって筋トレは怪我や病気を防ぐためでもあり、余計な力を入れない、いいフォームで人生を捉えるためのものなんです」。
「2世ブーム」の波に乗り、俳優業を開始
宍戸さんはもともと大のスポーツ好きで、高校・大学ではスキーのインターハイに出場する腕前だった。サーフィンを始めたのも、動作がスキーに似てるからという理由。 「一緒にスキーをやってる友達に、サーフィンとスキーは似てるからって誘われたんです。やってみたら案の定、最初から波に乗れちゃって。すぐ夢中になりました。それ以来、学校があった東京・国立と海のある神奈川・辻堂を行き来する日々が始まりました」。 中学から大学まで、夏はサーフィン、冬はスキーのルーティンを繰り返す生活が続いた。大学滞在中に俳優デビューを果たすことになるが、その目的もサーフィンを続けるためだったという。 「スキーとサーフィンを繰り返す生活を続けていたら、周りの友達は大学を卒業して就職して、自分で稼ぐようになっていたんです。僕はというと親のスネをかじったままで…。当時、世間はちょうど2世俳優のブーム。宍戸錠の息子として僕にも声がかかったのをチャンスに、サーフィン代を稼ぐために俳優業に挑戦することにしたんです」。