ピュアな味と香りが調和 無化調中華と自然派ワインの記憶に残るマリアージュ
ラム焼売✕エレガント赤ワイン
メインディッシュを食べた後、もう少しお腹に余裕があれば、点心がおすすめ。「ラム焼売」は、ラムをクミンと黒胡椒でスパイシーに仕上げた一品。粗めに挽いた噛みごたえのあるラム肉には、パクチーの茎を細かく刻んだものが入っており、セイロの蓋をあけたときも口に入れたときも、いい香りが鼻をくすぐる。ワインが好きな人には特に好評というのがうなずける。
ラム焼売には、フランス・ローヌ地方のカリニャン主体の赤ワインをペアリング。「赤いベリーやスパイス、ハーブの香りがあって、独特のラムの香りを引き立ててくれます。オイリーなラムをエレガントな風味できれいに包んでくれるところもおすすめです」と彩也佳さん。ラム焼売と深みのあるきれいな赤ワインはぴったりの組み合わせだった。
九鬼シェフの「私が恋した自然派ワイン」
九鬼シェフは、自然派ワインとの出会いとなった一本を紹介してくれた。 「2014年頃に初めて飲んだ自然派ワインがセバスチャン・リフォーのサンセールでした。それまでは通常のワインしか飲んだことがなく(同じ品種の)ソーヴィニヨン・ブランはハーブ香が強くパンチのあるワインというイメージでした。
ところがセバスチャン・リフォーのサンセールは、ハーブ香はおだやかで蜂蜜や柑橘類の風味があって、きらきらした味わいがしました。僕が作る化学調味料を使わない中華料理と合わせてもなじんでいくだろうというのが想像できたんです。そこから自然派ワインのテイスティングを始め、いまに繋がっています。セバスチャン・リフォーは、僕にとって中華料理とのマリアージュを始めるきっかけになった一本です。お店でも扱っていますので、ぜひ合わせてみてください」
やさしい味の自然派ワインをラインアップ
香噴噴では、九鬼シェフの作る香りの豊かな中華料理に合う自然派ワインが用意されている。「うま味調味料やチキンパウダーを使った味の濃い一般的な中華料理であれば、カリフォルニアや新世界のワインでいいかもしれません。でも、素材の味を生かして調味料を使い分けている料理には、繊細な自然派ワインでなければ合いません」と九鬼シェフ。