欧州で原発の運転停止相次ぐ、再生可能エネルギー急増で需要低下
EDFの原子炉はある程度柔軟に運転できるよう設計されているが、「細心の注意を持って」現在の動向を見守っていると、同社の原子力・火力発電責任者セデリック・レワンドウスキ氏が4日、上院の公聴会で語った。
欧州連合(EU)域内で昨年増加した風力発電能力は、過去最高を記録。太陽光発電能力の伸びは3年連続で40%を上回ったと、業界団体のデータは示している。
需要が弱く、太陽光や風力による供給が急増する際に電力会社が原発の出力を落とすのは異常ではない。だが、完全に運転を停止させるとなると話は別だ。再稼働は複雑で、時間もかかるからだ。
フランスの電力スポット価格は今月4日以降、1メガワット時当たり10ユーロ(約1650円)を下回り続け、6日の入札ではマイナスを付けた。
エナジー・アスペクツの電力リードアナリスト、サブリナ・カーンビシュラー氏は、EDFが原発運転で採算をとるには卸売市場でメガワット時当たり約22ユーロの価格が必要だと指摘した。EDFはコメントを控えた。
原題:European Nuclear Plants Put Out of Work by Green Power Surge(抜粋)
--取材協力:Eamon Farhat、Amanda Jordan.
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Lars Paulsson, Francois De Beaupuy, Thomas Gualtieri