イチローのトレードはあるのか?
俊足で、リードオフタイプ。そして、外野の守備範囲も広いレッドソックスのジェコビー・エルスバリーが、7年、1億5300万(約153億円)ドルでヤンキースに移籍することになった。外野手では、史上3番目の大型契約だそうだ。 ただ、すでに支配下の外野手が4人もいる込み合ったヤンキースの外野陣に、契約でレギュラーが保証された選手が一人増えるのだから、レギュラーが保証されていないイチローへの影響は、小さくない。 地元紙の予想によれば、「エルスバリーがセンターを守り、ブレッド・ガードナーがセンターからレフトへ移動。ライトには、レフトからアルフォンゾ・ソリアーノがコンバートされる」とのことである。 ■来季は第4の外野手 イチローはこの時点で、来季は第4の外野手との位置付けだ。そして予想されるイチローの役割は、「ソリアーノの控え」。ソリアーノは守備に不安があるので、試合終盤の守備固めでイチローが起用されるのでは、と見込まれている。もしくは、ソリアーノが指名打者で先発出場する場合、イチローがライトでスタメンに入る。 そうなると、残る外野手――バーノン・ウェルズは、ロースターから外れる公算が高い。来季の年棒が2100万ドルと高額だが、前所属チームのエンゼルスが1860万ドルを負担するため、ヤンキースの損失は240万ドルですむ。 さて、そうした読み通りならイチローの出場機会は、メジャー入り後、打席数などが最低となった昨季をも下回りそうだが、ガードナー、エルスバリー、イチローは、いずれもスタイルが似通った選手だけに、「ガードナーかイチローがトレードされるのでは」という見方がさっそく出ている。 ■イチローを求める球団は多い エルスバリー獲得に伴う影響の本質は、むしろそこか。トレードしやすいのは、FA(フリーエージェント)前のガードナーだろう。来季の年棒はまだ決まっていないが、おそらく400万ドル程度。イチローよりも250万ドルも安く、見返りもそれなりの選手を期待できることから、そういう噂が出ても不思議ではない。