じつはいま「中国」で大ブームになっている「最新エンタメ」の「スゴすぎる実態」
業界下剋上か? 新規参入のハードルが低い低資金
一般的なドラマよりも製作費を抑えられるため、新規参入しやすいことも特徴だ。 「ウェブトゥーンの製作費が上がってきて、回収率が下がっていると聞きます」と金子氏。 1本1000万円でできていたものが、3000万円かけないと売れない。そうなると回収が難しくなるため、本数が作れなくなる。数勝負の面があるウェブトゥーンでこれは厳しい。製作コストをいかに下げるかというアイデアを出している時に登場したのがショートドラマだった。 「一般のテレビのドラマ制作はスタッフがものすごく多いじゃないですか。30人ぐらい関わっていると思います。ショートドラマは10人前後で全部作ってしまいます」 人件費がそれだけ安く済む。スタジオも小さくて済む。 「テレビドラマは横長じゃないですか。スタジオも広くないと横が見えちゃう。ショートドラマは縦長なので、横がいらない。人で画面がいっぱいになるので、ロケ地に金をかけても意味がないんです」 機材も市販の一眼レフやスマホを使うことも多く、これまでテレビ業界が使っていた1台数千万円の機材とはケタが違いに安い。キャスティングも無名の役者を使うことがほとんどだ。中国でも有名な役者を使ったから売れるというものではなく、あくまで暇つぶしのちょっと見る恋愛ドラマなので、豪華な俳優の演技力は求められていないのだ。 「無名の劇団や役者の方の仕事は増えるんじゃないでしょうか。いずれそこからスターも生まれるでしょうし」 そうした積み上げで、ショートドラマは1本1000万円以下で作ることが可能になっている。 現在、折茂氏らが進めているショートドラマは中国市場で売れている恋愛ものを参考にしたもの。 「いずれはコメディやホラーも作りたいと思っていますが、まずは正攻法で身分隠しだったりインモラルだったりを作りたいと思っています。日本の場合、もしかしたらウェブトゥーンで売れている異世界転生が売れるかもしれません」 中国のプラットフォームも次々に日本に上陸、テレビ局とのコラボやショートドラマを深夜枠でリメイクといったことが始まっている。女性向けコンテンツのみならず、PRツールとしても魅力的なショートドラマ。これから大きなビジネスチャンスとなりそうだ。 One Acre HP https://www.1-acre.com/ 美容サロン事業「TOP LOOK」HP https://toplook.salon/
川口 友万(サイエンスライター)