【サニックスワールドラグビーユース交流大会】初の日本チーム王者となったのは大阪桐蔭。桐蔭学園との熱戦に仲間、観客の視線は釘付け
▼こういう試合になるのは分かっていた。 宗像の山を切り拓いて作ったグラウンドで、国内最高レベルの高校ラグビーを目撃できた幸せを、そこにいた人たちが感じた。 桐蔭学園のFL申驥世主将は、「大阪桐蔭さんは、強くて、速くて、うまかった」と話し、勝者へのリスペクトの気持ちを示した。すべてを出し切った表情だった。 「60分間、最後まで攻め続けられた」と、自分たちのパフォーマンスを振り返って手応えも感じていた。 ラックを作らず立ってつなぎ、はやく順目に攻める。そのスタイルが相手を後退させた。 「(体が)小さい分、2対1、3対1でタックルした」防御も、相手を押し込んだ。 自分たちがどう生きるか、道が見える大会となった。 優勝した大阪桐蔭のCTB名取凛之輔主将はタックルをしまくって、白いジャージーを泥だらけにしていた。 「素直に嬉しい」と笑顔を見せた主将は、「いいところもありましたが、ディフェンスの規律など、反省もあります。課題がまた見つかった大会でした」と落ち着いていた。 「タフな試合になると分かっていました。あちらは選抜のリベンジの気持ちがある(準決勝で対戦し、13-7で大阪桐蔭の勝利)。それに対し、こちらもチャレンジャーの気持ちで戦おうと言いました」 それでも、「オフロード(パス)の精度も高く、何回も下げられ、ペナルティも取られ、トライに結びつけられた」と苦しんだ。 その圧力をはね返すことができたのは、「60分間、一丸となって戦ったからだと思います」。 激戦続きの5日間を振り返り、「海外のチームと戦って、一人ひとりがワークレートをもっと高め、走ることが大事とあらためて分かりました」という。 選抜大会に続いてまたも頂点に立ったけれど、「過信せず、チャレンジし続けます」と気を引き締めた。 綾部正史監督も「地道に自分たちらしく、日々上を目指します。自分たちのラグビーというものを持ち、こだわっていきたい」と話したが、チームの成長に手応えも感じている。 「残り10分で、ディフェンスのギアを上げられるようになってきています」と選手たちを愛でた。