<上海だより>横行する資産運用詐欺 プラダ前で座り込む被害者達
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上海の中心部淮海中路と陝西南路に位置する大型の複合商業施設iapmに中高年層から若者まで、大勢の人が先週末から集まっています。しかし、彼らは買い物や食事のために訪れているわけではありません。一体、何のために連日のように集まっているのでしょうか。
近年、投資会社や資産運用会社による詐欺が中国では横行しており、中国当局もその防止や業者の取り締まりを強化しています。その最中、上海の最中心部にあるiapmにオフィスを構えていた上海晋興資産管理有限公司(以下、晋興資産)に大勢の投資者たちが未払い配当金の受取りを求めて集まっているのです。
現場で連日進展を待つ一人の女性に話を聞いてみると、昨年から投資を始め、先月までは配当金が支払われていたが、今月は支払われず、連絡をしても電話も繋がらないため、不審に思い来てみたところ、オフィスも閉鎖されており、大勢の人たちが集まり始めた、とのことです。また、この女性はこれまでに100万元(約1600万円)を投資しており、非常に興奮した様子でぶつけようのない思いの丈を語っていました。 今回被害にあった投資者は2000人以上、未払い配当金の総額は4億元(約64億円)を超えます。一方、晋興資産の王冕(オウ ベン)総裁はすでに1.5億元(約24億円)を持ち去ったまま連絡は途絶えており、晋興資産の口座に残された金額はわずか400万元(約6400万円)ほどだそうで、支払不能の状態に陥っています。
今回明らかになった晋興資産の投資商材は、3ヶ月、半年、1年の単位があり、利率は7%、8%、9%というものだったそうです。また、セールス手段も多く持ち、3ヶ月プランで10万元(約160 万円)を投資した場合には、1000元(約1万6千円)をリターンし150元(約2400円)の現金プレゼントや、半年プランで20万元(約320万円)を投資した場合には、500元(8千円)のリターンと金20gをプレゼントというようなプロモーションなどによって勧誘していたようです。
16日から投資者たちは連日オフィスのあった商業施設に居座っており、上海の公安も捜査に動き出していますが、1週間以上経った今も特に進展はないようです。投資者たちは今なお、不安を抱えながら自体の進展を待ち続けています。