<中村悠一>「るろうに剣心」 “最強”比古清十郎の人間味を匂わせる 弱さ、怒り、悲しみ
和月伸宏さんの人気マンガが原作の新作テレビアニメ「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」の第2期「京都動乱」。主人公・緋村剣心と志々雄一派との熾烈な戦いが描かれる「京都編」は原作でも人気のエピソードで、第35話「比古清十郎」からは、飛天御剣流の第13代目継承者であり、剣心の師匠である比古清十郎が登場している。「るろ剣」屈指の最強キャラクターである比古清十郎を演じる中村悠一さんに収録の裏側を聞いた。 【写真特集】令和の比古清十郎も格好いい! 最強! ビジュアルを一挙に
◇最強の真逆にある人間味を繊細に
「るろうに剣心」は、1994~99年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された人気マンガ。幕末に人斬り抜刀斎として恐れられた緋村剣心が明治維新後、不殺を誓った流浪人として、新たな時代の生き方を模索していく姿を描いた。新章の「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-」が、2017年から月刊マンガ誌「ジャンプSQ.(スクエア)」(同)で連載中。スタッフ・キャストを一新し、新作テレビアニメシリーズとして、2023年7月から第1期全24話が放送され、2024年10月から第2期がフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」ほかで放送されている。
比古清十郎は、過去に原作者の和月さんも「剣心より強い」と語っている最強のキャラクターだ。中村さんに「“最強感”を出すために意識したことは?」と聞くと、「そういうのはないかなと思います」という答えが返ってきた。
「声だけでやっているものじゃないですから。画(え)に見せてもらう部分がもちろんあるので、全部を僕が表現しきる必要はないと思っているんです。画にお任せする場所はたくさんあって、僕が気をつけなきゃいけないと思っていたのは、もちろん強い、ただ者じゃないという部分もありますが、それ以上に、比古清十郎が生きた人間であるということ。彼なりの弱さであったり、今何を考えているか、思っているかとか、そういうもの。見えにくくても、怒りや悲しみが必ず存在していると思うので、それをどこで匂わせるかというのが大事かなと。強さの部分は、そう描かれていますし、見えるものだと思うので、僕が表現するのはその真逆の部分ですよね。人間味のある部分がどこにあるか、感じ取れるポイントを見て、作っていかないといけないなと。登場シーンが限られているキャラクターを印象に残して、魅力的に見せていくという作業なので、そこは大事にしなきゃいけないなと思いました」