“渦中”の国民・玉木代表インタビュー “103万円の壁”引き上げに妥協なし「政策要求はひるまず」【WBS】
11日、国会で30年ぶりとなる総理指名選挙の決選投票を経て、第二次石破内閣が発足しました。石破内閣は与党で過半数を割っていることから、今後の政権運営において野党の協力が必要になります。そのカギを握る国民民主党の玉木代表にスキャンダルが直撃しましたが、テレビ東京のインタビューでは、手取りを増やす政策の実現に向けて、政策要求はひるまないとの考えを示しました。 特別国会が召集され、続々と登院する議員たち。国民民主党は衆院選で28議席を獲得し、選挙前の4倍の勢力となりました。与党の過半数割れによりキャスティングボードを握る存在へと躍進を遂げ、103万円の壁の引き上げを訴えています。 しかし、この晴れの日に代表の玉木氏には笑顔がありませんでした。女性問題に関する報道があったからです。 「けさ報道された内容についてはおおむね事実。謝罪を続けたい。代表をどうするのかについては、仲間に諮りたい」(玉木代表) そうした中行われたのが、総理指名選挙。玉木氏の手元にある投票用紙には自身の名前が書かれていました。直前の党の会合で玉木氏の代表続投が確認されたためです。しかし、ここでも終始硬い表情のままでした。 決選投票の結果、何とか政権を維持した石破総理。しかし、新たな経済対策の裏付けとなる補正予算案は野党の協力がないと成立できません。このため、立憲、維新、国民民主といった野党側との党首会談を相次いで開催するなど、野党側へ低姿勢をアピールしています。 こうした中、最も石破政権が頼りにする存在が、国民民主党の玉木代表です。女性問題が直撃する中で応じたテレビ東京の単独インタビューでも謝罪からスタートしました。 「全国からご期待をいただいた方々に、まず心からのおわびを申し上げたい。その上で国民の期待の高い手取りを増やす経済政策、103万円の控除の引き上げ。この政策を何としても実現していきたい」(玉木代表) 今回の不祥事で与党との交渉で強気に出られないのではと心配する声もありますが、玉木代表は「優秀な仲間が現場で交渉にあたっている。ひるむことなく交渉している。ぜひチームで、仲間で一緒になって、手取りを増やす経済政策をぜひ実現していきたい」と、女性問題は政策に影響しないとしました。 11日に行われた石破総理との党首会談でも、玉木代表が迫ったのは年収が103万円を超えると所得税が発生する、いわゆる「103万円の壁」の見直しです。玉木代表が基準額を178万円に引き上げるよう求めたのに対し、石破総理から具体的な言及はなかったものの、方向性は一致したと説明しました。 一方で、自民党内からは、国と地方合わせて7兆円以上の減収となることから反発の声も上がっています。 「“103万円の壁”の金額で妥協する余地は?」 「まだ178万円をおろす理由はない。自民党には上げなくていいのかと逆に聞きたい。上げてくれというのが民意だ。われわれも知恵を出すが、与党もぜひ知恵を出していただきたい」(玉木代表) 「財源は与党が見つけるべきだと発言していますが、それに対して与党から反発が出ている」 「与党が見つけてこいとは言っていない。われわれも考えていくが、与党も政府与党なのだから、きちんと議論してくださいと。例えば去年は約7兆円の予算の使い残しがある。22年は11兆円の使い残しがある。本当に7~8兆円の減収になって、新たな財源が必要なのか。政府与党の責任で、きちんと吟味してほしい。われわれはちゃんと考える」(玉木代表) ※ワールドビジネスサテライト