【捨てるコツ】片づけが苦手な人は「仕分け」をするな
「片づけたいのに、どこから手をつければいいのかわからない」「収納はパンパンで、モノがあふれている」――このような悩みを抱える人は少なくない。 片づけに悩むお宅には、実はある共通点がある。それは、モノが多すぎること。片づけの第一歩は捨てることだが、これが意外と難しく、多くの人がつまずくポイントでもある。 特に、片づけ初心者がやりがちなのが仕分け作業。しかし、この方法が逆に混乱を招き、疲れ果てて片づけが進まなくなる原因になっている。 そこで、登録者数16万人の人気YouTube「イーブイ片づけチャンネル」の運営者であり、書籍『1万軒以上片づけたプロが伝えたい 捨てるコツ』の著者・二見文直氏に、片づけ初心者でも「捨てる」をスムーズに進めるための具体的な方法とコツを聞いた。(構成/ダイヤモンド社・和田史子) 【この記事の画像を見る】 ● 片づけに関して、多くの人が勘違いしている 「片づけは苦手で散らかっています。足の踏み場もありません」 「正直、どこから片づければいいのか、わかりません」 「どちらかというと、捨てられないタイプです」 「収納はパンパンで、余裕がありません」 「自分の家が落ち着かないのが悩みです」 「こまめに掃除をしているのに、全体的にゴチャゴチャしています」 こんなふうにおっしゃる方のお宅の共通点は、ずばりモノが多いこと。 モノが多いお宅の片づけの一歩は、捨てるしかありません。 ではどうやって捨てればいいのか。 これまで1万軒以上のお宅を片づけて気づいたことは、片づけに関して、多くの方が勘違いしているということです。 捨てるためには、慣れが必要です。 慣れていないうちは、むずかしいことをやってはいけません。 特におすすめしないのが、仕分けです。
● 「仕分け」作業で脳はヘトヘト 片づけが得意な人や家にモノが少ない人であれば問題ありません。 しかし、片づけることにも捨てることにも慣れていない上に、家にモノが多いのであれば、問答無用で「仕分け」禁止です。 仕分け作業は頭を使います。 「これは使うかな?」 「とっておいたほうがいいかな?」 「やっぱり捨てたほうがいいかな?」 あれこれ考えながらの作業は想像以上に脳みそを使うので、それだけで疲れてしまいます。 「疲れている割には片づいていないなあ」と、がっかりした経験、誰もが一度はあるでしょう。片づけが苦手だからではなく、単純にやり方を間違えていただけなのです。 もう一つ、仕分けをおすすめしない理由があります。 モノが多いお宅の場合、下手に仕分けを始めてしまうとより部屋が散らかってしまい、収拾がつかなくなるから。 スペースがないのに、いきなり仕分け作業をしてしまい、ベッドや床が服だらけに。挙句の果てには、「ここに積み上げたのは残しておくんだっけ? それとも捨てるんだっけ?」。これでは片づけは進むどころか、前より散らかって終わりです。 ● 整理・収納は後回し! スペースを空けて初めて、いる・いらないの仕分け作業ができます。 モノが多すぎる状態で仕分けをしても、結局、ぐちゃぐちゃになるだけです。 いわゆる「整理・収納」は後回しでいいのです。 あと、仕分けをすると「これは取っておこう」と思った服をクローゼットに戻す、といった「動き」が出てきます。隣の部屋に行ったり、立ったり座ったりする。あちこち荷物を持って動いていると、それだけでも疲れてしまいます。余計な動きも極力避けたいところ。 だから今は、捨てることに集中すると決めてください。 捨てると決めて強い気持ちで「捨てる」を実行するためには、「捨てる」以外の作業は一切してはいけません。 例えば「この引き出しの中のいらないモノを捨てるぞ」と決めたら、引き出しの中から不要なモノを取り出し、ひたすらゴミ袋に入れていきます。ゴミの分別は後でOK。 一歩も動かず、他のことに頭は一切使わず、捨てることに集中しましょう。 飽きっぽい方はスマホのタイマーを5分や10分などに設定して、時間を決めてやってください。疲れる前にやめることが、片づけるコツです。 1日5分でもやってみてください。「捨てる」に集中することで、自然と捨てることに慣れていきます。
二見文直